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「青一才」1st mini Album release“小川健介 VS スクう空氣”【ライブレポート】

4月20日ESAKA MUSE。小川健介の1st mini Albumのリリースを記念した対バンイベントが開催された。対バン相手は、苦楽を共にした同い年のアーティスト一山楓が率いるスクう空氣。仲間でありライバルでもある2組が音楽でぶつかり合うイベント。

 

 

 

村山雅庸

イベントのオープニングアクトを務めるのは小川健介と同い年のシンガーソングライター村山雅庸。アコースティックギターの音色と共に幕が開く。『オープニングアクトを務める村山雅庸です。25分間よろしくお願いします!』

1曲目は、「青春電車」アコギをかきならし、どこか懐かしさのあるメロディにのせて男らしい歌声が会場内に響き渡る。繰り返されるギターのサウンドはまるで幸せの旅路をスキップしているかのよう。暗転すると場内にハーモニカの音色が響いていく。『向かい風という曲を聞いてください!』感情を込めた力強い歌声からは向かい風に立ち向かう強い意志のようなものを感じることができる。哀愁のあるギターの音色と共に歌詞が心にスーッと入っていく。最後は、疾走感のあるギターで、未来に向かって走りすすんでいく。

『今日は小川健介くんのmini Album releaseツーマンライブに呼んでくれてありがとうございました!』ライブに出演するボーカル3人は同い年。小川健介からは3アクトのつもりで呼んでくれたと聞いたからこそ、村山は『今日のライブを乗っ取るつもりで頑張りたいと思います!』とライブへの意気込みを語る。
続いては、「梅田駅前交差点」やさしいギターの音色と彼の歌声で会場の観客たちの心に染み渡っていく。『CDを作ることはものすごく大変で嫌になってくることもある。CDショップや物販に並ぶまでの過程が大事。CD完成おめでとう!僕が何かしたわけじゃないが今回の青一才のジャケットのデザインは昔からの友達がやってくれた。』

今回のCDリリースへの祝福とジャケット制作を担当した友達を紹介したという今回の縁を伝え、楽曲「大丈夫?」を披露。カッティングするギターで注目させ、70~80年代のフォークソングを彷彿させるようなバラードで疲れた心にドストレートにぶつける。仕事の疲れや日々のストレス。疲れた心に休みをとろうと日々の生き方を肯定してくれるメッセージソング。
『暗い曲ばっかりだったので、明るい曲で終わろうと思います!今日はありがとうございました!』感謝を伝え、最後は、「正念場」を披露。
ギターをかき鳴らし、夢に向かって走り続ける気持ちを歌に乗せて明るく心に届けて、見事にイベントのスタートをやり遂げてくれた。


セットリスト
1. 青春電車
2. 向かい風
3. 梅田駅前交差点
4. 大丈夫?
5. 正念場

Twitter村山 雅庸(むらやま まさのぶ) (@murayama007) / Twitter

 


スクう空氣

明るく元気が出るようなスクう空氣のオリジナルの楽曲のSEと共にバンドメンバーが登場。1曲目「電話」の歌い出しから始まり、会場の空気感を一気に作り上げていく。『スクう空氣です。どうぞ宜しくお願いします!』疾走感のあるバンドサウンドと心に安らぎを与える鍵盤のメロディ。明るくキャッチーなサウンドに乗せて一山楓の個性があり伸びのある歌声が心に響かせていく。続いて「夜明け」ベースの茅子が手拍子を促し会場は一体に。間奏のピアノはジャジーサウンドで曲にムーディーさを演出する。
怒涛のように曲は続き「僕は最低最悪な男でした。」ギターの音色とボーカルの歌声だけで始まるからこそ、サビの盛り上がりがより高揚感をさそう。「ESAKA MUSEに来てくれた人ありがとうございます!いこうぜ!』と会場を煽っていき盛り上げる。ラスサビで「最低最悪な男でした」と声を張り上げて歌い上げる。そんな彼の姿からはバンドマンとしてのかっこよさがにじみ出ていた。

 

『小川健介は1回目の逆転カンサイFES.を見に来てくれたことが最初の出会い。ESAKA MUSEで開催された打ち上げにきてくれた。帰りの電車でたまたま会ったことがきっかけでなにか一緒にしたいと思ってました。あれから1年半以上が経ってツーマンができるのが嬉しいです。呼んでくれてありがとう!』この1年半は、共に意識しあい前に進んできた。仲がいいからこそ、お互いのいいところも悪いところも分かる。だからこそ、『不器用ながらもがんばっている彼を見てるけど、今回はサポートではなく倒しに来ました!』と宣言。「それでも貴方が必要でした。」ではポップなサウンドと疾走感あるロックサウンド。サビではフレーズを繰り返して、キャッチーで中毒性のある楽曲となっている。そのまま続いては「さよなら、恋心」リフレインするギターの音色が中毒性を誘う。ドラムのリズムが鼓動を高鳴らせ、ベースの存在感と鍵盤が奏でる音色が楽曲の情景をイメージさせてくれる。続いて、「エンドロールは最後まで」がスタート。彼の歌声とポップなメロディが爽やかな風となり会場内に吹き込んでいく。
曲が終わると、心をリラックスさせるようなやさしいピアノソロ。そこから「約束」のイントロが奏でられる。暗闇の中、一山楓とKey. HiRoの2人にスポットライトが当たる。疾走感のある楽曲が続く中、心に沁みわたるバラード曲でバンドとしての表情を変える。突然リズムを変え、『後悔したって進むのは前しかないから全力出して行こうと思っています。Replayあの日をもう一度。』これまでポップなサウンドのイメージが強いスクう空氣。これまで以上に速いBPMに乗せて声を荒げて歌い上げる一山楓。ポップな印象を残しながらもこれまで以上のロックサウンドが強い楽曲で新たな印象を見せつけた。

 

『ここまで聴いてくれてありがとうございます。一つだけスクう空氣からお知らせがあります。5月のライブを持ってベースの茅子ちゃんが卒業となりました。いままでやってきたことや理想や現実、いろんな悔しさをもって音楽をやってきました。その中で1番悔しいです。でも、それぞれの道があります。これからもみなさんにいい音楽を届けていこうと思います。茅子ちゃん、これまでありがとう。』ボーカル一山楓が卒業を発表したベースの茅子への感謝を伝える。

『想いを込めて音楽を届けています。次のライブは現在の体制で最後です。次に向かって生まれ変わる1日。それでもまっすぐ進んでいく1日にしていきたい。ありがとうございました。スクウ空氣でした。』
これまでの悔しさやこれからの決意を込めて、デビュー曲でありバンドとしても大切な楽曲「ナイトクルージング」に想いを込めて曲を届ける。茅子の脱退というバンドとして変化の時。ボーカル一山楓の歌声からはこれまで以上に感情がこもり、これからのバンド人生に誓いを立てるかのように歌い上げる。
『ラスト一曲いけるか!!』最後は、「君の世界」を明るく楽しく、心を込めてバンドの良さをしっかり打ち出して小川健介に挑戦状を叩きつけた。

 

セットリスト
⒈ 電話
⒉ 夜明け
⒊ 僕は最低最悪な男でした。
⒋ それでも貴方が必要でした。
⒌ さよなら、恋心
⒍ エンドロールは最後まで
⒎ 約束
⒏ Replay
⒐ ナイトクルージング
10.君の世界

Twitterスクう空氣 (@suukuukuuki) / Twitter

 


小川健介


本日の主役小川健介が登場。今回はサポートメンバーを率いてのバンドスタイル。1曲目は、「華」哀愁のあるバンドサウンドと彼の透き通るようなかっこいい歌声が会場に響き渡っていく。雨をイメージさせるようなドラムのリズム。間奏のギターサウンドから漂う悲しみの感情。一つ一つのサウンドと彼の色気ある歌声が曲の世界観を作り上げていく。
続いて、「Just.. a lip」ドラムのリズムと共に『どうも小川健介です!みんな前に来て!ここからいきますよ!いけるか、みんな!盛り上がっていきましょう!』
会場の思いを一つにさせて、存在感のあるベースラインが会場を盛り上げていく。どこか懐かしさのあるかっこいいロックサウンドを作り出すギターとベースの存在感。魂を込めてステージを練り歩きながら歌い上げる小川健介。
『まだまだいけるかー!』と続いてライブ定番曲となりつつある「キミノレンジャー」を披露。彼のルーツでもある、90年代のロックバンドの音楽性を感じ取れる爽やかもあり強いロックサウンドの楽曲。会場はサビで拳を振り上げ一体となり、手を広げ歌い上げる彼の姿はまるでロックスターそのもの。『後1曲盛り上げていいですか!?』と会場に問いかけ、「果てしなきこの世界」を披露。


盛り上がる楽曲が続き、会場のボルテージはどんどん上がっていく。そんな会場を見て彼の気持ちのボルテージが上がっていく様子も自然と伺うことができた。ステージと観客のボルテージが一つとなり最高の空間が作り上げられていく。

『みなさん、今日は来ていただきありがとうございました。改めまして小川健介です!』
2組のアーティストから繋がれた今回のレコ発。5年間のアーティスト活動は、山あり谷ありだった。ここ2年はサポートメンバーをつけてライブをやってきた彼が今日のライブまでの音楽人生を振り返り伝える。
『2組のアーティストが繋いでくれたバトン。これからはより集中して新曲2曲を披露しようと思います。』
この現状から逃げ出したいという気持ちから変わっていきたいという気持ちを描いた楽曲「エスケイプ」を披露。等身大の彼の気持ちを描いたこの曲は今回のレコ発を超えて大きく成長する楽曲となることだろう。
続いては、「雨」これまでの楽曲とはまた違うエッセンスを感じれるような楽曲。疾走感のある楽曲が続くからこそ、この曲は彼の歌声がより心に響いてくる。間奏ではガラリと雰囲気をかえて一気に盛りあげていく。ギターを弾きながら歌う彼の姿から感じ取ることができる魂の歌声。心を込めて一人一人に歌を届けてくれた。

 

『叶わないことはわかりきっていたんだ。ここで一歩踏み出すことしかできなかった。この瞬間がこびりついていくのであれば。「瞳の中で」聴いてください。』
心に響かせるようなギターの音色と彼のやさしい歌声。一つ一つのサウンドが重なり後半になるにつれて曲は壮大になっていく。語りかけるように歌い上げて、目の前にいるお客さんに想いを届ける。

『青一才というのは僕が考えて勝手に作った造語。青二才という言葉がある。そんな言葉より、それ以下だよという意味をこめた。これまで1人でやってきたとおもっていたけど多くの人に助けられて今がある。』
2組のアーティストとサポートメンバーに感謝と今日のライブに来てくれたみなさんに感謝を伝えた。

アルバムにも最後に収録されている楽曲「boys, be right」。『音楽が1番好きだけど、やめようと思ったことは何度もあった。本当につらい時、最後の一曲を作ろうと思って作った曲を披露しようと思います。』明るく壮大なイントロ。辛くてしんどい時がこれまで何度もあった。この曲をつくり、ここまで走り続けた。この楽曲が彼にとって一つの成長に繋がる曲だったのだろう。この5年間の成長をこのステージに込めてステージを後にした。

 

幕が閉じるとアンコールの拍手がステージに届く。
アンコールは、スクう空氣の一山楓、とらと小川健介によるコラボステージ。2組による普段の空気感が伝わってくる楽しげな会話。先程まで戦っていた2組が仲間としての姿を見せる。コラボする楽曲は一山楓のシンガーソングライター時代の楽曲「ホーム」全く違った個性を持つシンガー2組が個性を生かして曲を届ける。
ツーマンにスクう空氣を選んだのは、出会ってわずか2年でいろんな経験を乗り越えてきた関係だからこそ。不安だったタイミングでスクう空氣と出会って心が救われてきた。そんな小川健介からの感謝を伝えて、最後は、今回初披露の新曲「青一才」。一山楓と小川健介の二組で作り上げた新曲。疾走感のあるギターサウンドに会場の手拍子が音となる。英雄なんかになれない僕らの歌。2人のこれからの人生への決意を込めた1曲を披露。同い年でライバルであり仲間でもある3組のアーティスト。一組一組がそれぞれの夢に向かって走り出していく。

 

セットリスト
1.華
2.Just.. a lip
3.キミノレンジャー
4.果てしなきこの世界
5.エスケイプ
6.雨
7.瞳の中で
8.boys, be right
 アンコール (小川健介&一山楓&とら) 
9.ホーム(一山楓 cover)
10.青一才(小川健介&一山楓 共作新曲)

Twitter小川健介 @1st mini Album「青一才」now on sale! (@tribueray) / Twitter

 

カメラマン:匠 (@tkantbti) / Twitter

 

 

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