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「逆転カンサイFES.2022~青春をとりもどそう~」ライブレポート

【記事公開日:2022/08/15】

 


8月6日、服部緑地野外音楽堂。「青春をとりもどそう」をテーマに逆転カンサイFES.が開催された。太陽の日差しも強く、蝉の鳴き声が会場に響いている。
そんな中NFRSラジオのDJとらやんが開場のスタートを盛り上げる。DJとらやんの紹介と共に1組目のアーティスト音山大亮がステージに立ち、このイベントは幕を開けた。

 


音山大亮( fr.pachae )

本来バンドとしての出演予定だったpachae。急遽ヴォーカル音山大亮がアコースティックギターを持ってソロ出演となる。
ライブのスタートは新曲。バンドでは鍵盤が入るのだが今回はギター1本。だが、そんなことは感じさせないようなギターの音色が会場内に響き渡る。まるでバンドと共にいるかのように軽快なギターの演奏で空気ができあがり、自然と会場では手拍子が現れる。
カバー曲としてEric Clapton「Change the world」を披露。バンドとしての楽曲達とは、また違った印象を与えてくれる。MCでは、矛盾をしていると思う言葉や表現などをあげて会場の笑いをつかむ。独特な空気感の中、会場は彼の世界観に入り込んでいく。最後の楽曲はpachaeの楽曲「タイムマシン独創曲」。原曲はシンセサイザーサウンドが印象的だが、ギター1本でその世界観を作り上げ、暑さがきつい会場のボルテージを上げてくれた。
緊急事態だと思われるソロ出演。急遽とは思えないくらい、イベントのスタートを見事に盛り上げてくれた。

 

セットリスト
1.新曲(名前公開できません)
2.Change the world / Eric Clapton
3.タイムマシン独創曲

 

Twitter音山大亮 【pachae】 (@otoyamadaisuke) / Twitter

 

 


Miranda Otsuji

大阪花園ラグビー場から来ましたとステージにあらわれたのはMiranda Otsuji。13時になり、より日差しの強い時間となった会場。そんな暑い太陽に照らされた会場にさわやかな歌声と疾走感のあるサウンドで1曲目「ASA」から会場を盛り上げる。曲中は手拍子で会場は一体となり、自然とボルテージは上がっていく。
そんな中2曲目「待ってないのに春が来る」は、聴かせるバラード。さっきまで盛り上がっていたからこそ、緩急があり彼女の歌声が心にスーッと入ってくる。ギターを置き、振りをつけながらたのしさが伝わってくる「ライフ」。ラブアンドピースの振り付けを会場全体で行い、一体感が生まれる。間奏のギターとベースの音色は、かっこよく会場に響く。
最後は夏を盛り上げる日本のまつりをモチーフとした「笑えば祭りはそこから始まる」。わっしょいの振りを一緒に行い気分はまるで夏祭りだ。夏を感じられる楽曲や盛り上がりは、「青春」そのものだっただろう。

 

セットリスト
1.ASA
2.待ってないのに春が来る
3.ライフ
4.笑えば祭りはそこから始まる

 

TwitterMiranda Otsuji💋🎸8/6(土)逆転カンサイフェス (@mirandaotsuji) / Twitter

 



ナンカノユメ

次の出演は、ナンカノユメ。1曲目はライブで盛り上がりを見せる「Burny」。疾走感のあるギターのサウンドとヴォーカルの艶やかな歌声で暑い日差しに負けずロックサウンドが会場内に響き渡る。2曲目「キツネノヨメイリ」ではサビで手を横に振り、観客と一体になる。初出演となった今回のイベントへの思いをヴォーカル841が語り、「ヒーローベルト」ではよりエモーショナルな雰囲気を醸し出す。最後は「レンブラント」を歌い上げ、1月のワンマンへと思いをつなげた。
暑さがどんどん強くなる時間帯。間違いなくこの日一番暑い時間帯だっただろう。そんなものに負けずエネルギーに代え、アツいライブをしてくれた。城天で定期的に活動をしているからこそ培われたエネルギーを感じさせてくれた。90年代を感じさせるバンドサウンドは、観客の方々の青春時代の音楽をどこか思い出させたのではないだろうか。

 

セットリスト
1.Burny
2.キツネノヨメイリ
3.ヒーローベルト
4.レンブラント

 

Twitterhttps://twitter.com/nankanoyume2019

 

 

 

LAPH ROI GLENN


出演予定だったザ・ハウルが急遽キャンセルとなり、直前でピンチヒッターとして出演が決まったLAPH ROI GLENN。ピンチヒッターとは思えないくらいリハーサルから盛り上げてくれる。立ち見席にお客さんを呼んでのスタート。1曲目「Over」からファンの熱量を感じられるライブ。そんなファンとバンドの熱量は野外ステージがまるでライブハウスのような雰囲気を醸しだす。
ギターには、サポートとしてナンカノユメのdaishiが入り、ヴォーカル以外がナンカノユメと同じ体制。そんな状況を笑いに変え、MCでも盛り上げてくれる。存在感のあるバンドサウンドはかっこよく。ヴォーカルのエリイは力強さと拳の効いた歌声。ロックサウンドと歌声があわさり一体感を感じられる。急遽出演が決まったとはおもえないくらいのステージでピンチヒッター。いや、ヒーローのようにステージを見事にやり遂げてくれた。

 

セットリスト
1.Over
2.Chapter2
3.すみっこのキミへ

 

TwitterLAPH ROI GLENN/ラフグレ (@LAPHROIGLENN) / Twitter

 

 

 

Lala

今回2回目の出演となるLala。「青春をとりもどそう」というイベントのテーマを体現するかのように1曲目「夜明けまで」から青春ロックサウンドで会場を懐かしい気持ちにさせてくれる。Lalaならではの転調が際立つ楽曲達で1曲1曲が変化を楽しませてくれる。MCでは昨年出演をしたエピソードとこのフェスへの想いが語られる。
そして、「だまされてあげる」が始まる。ヴォーカルのやさしい歌声が中心となり、切なさを感じられる。途中から盛り上がるロックサウンドへと変化していき会場の盛り上がりは加速していく。ポップさとキャッチーさがあり、青春を感じられるロックサウンドが会場内に響き渡る。これから東京や和歌山といった多くの土地でのライブイベントへの出演が決まっている彼女達の今後がより楽しみになるライブとなった。最後は「強く生きたい」で出番を締めくくる。

 

セットリスト
1.夜明けまで
2.月が綺麗に見えるのは
3.だまされてあげる
4.強く生きたい

 

TwitterLala (@LaLa35941760) / Twitter

 

 


天邑


アコースティックギター1本でステージに上がってきたのはシンガーソングライター天邑。今年の春に上京をし、このフェスのために大阪に帰ってきた。ギター1本で歌い上げ、透き通った歌声とギターの奏でる音色で1曲目「オープニングソング」から自然と心を奪われる。
昨年に続き今回も出演。昨年はゲリラ豪雨でお客さんの顔がしっかり見れなかった。だからこそ今回は、1人1人の目をみながら歌を届けることができる。東京という土地で路上で活動してるからだろう。より1人1人にむけて歌を届けよう。そんな彼女の気持ちが歌声や表情から自然と伝わってきた。心にスーッと入ってくる歌声と寄り添うような聴き心地のいいギターの音色が会場全体に響き渡る。私は、1年前の出演を見たわけではない。だが、見ていない私でも彼女が成長したことが音楽から伝わってきた。

 

セットリスト
1.オープニングソング
2.ボクが望む僕
3.AM2:00の病
4.シアン

 

Twitter天邑 (@tenyu_official) / Twitter

 

 


小川健介

シンガーソングライターとして活動をしている小川健介。今回はバンド体制での出演。1曲目「瞳の中で」は、ノスタルジックな雰囲気を感じさせる新曲で彼の歌声をしっかりと聞かせてくれるスタートとなった。そんな楽曲から会場の心をしっかりとつかんでくれる。
だからこそロックサウンド全開でギターとベースラインがかっこいい2曲目「Just.. a lip」では、1曲目とのギャップを見せつけ、会場のボルテージを上げてくれる。曲の世界観を彩ってくれる楽器とかっこいい彼の歌声が会場内に響き渡る。
MCでは、逆転カンサイFES.への思いを語る。去年は客席で見ていた。このステージでバンドとしてたつという決意を主催の一山楓と語り合った。そんな夢の舞台に戻ってきた彼のライブからはアツい気持ちが伝わってきた。出演という夢を叶えた彼が、自身初のワンマンライブを12月に開催することを発表した。今回のイベントを超えて新たな目標へと動き出した小川健介。彼が歌う最後の楽曲「キミノレンジャー 」からはこれからの活動への決意が感じられた。

 

セットリスト
1.瞳の中で
2.Just.. a lip
3.果てしなきこの世界 
4.キミノレンジャー 

 

Twitter小川健介 (@tribueray) / Twitter

 

 


透明な7日目の真実

歌い出しから始まり、かわいらしさもあり、力強い歌声と疾走感のあるドラムとギターのサウンドで「蒼」が会場内に響き渡る。疾走感があるサウンドは、気づけば体が動き出したくなる。今回のイベントの中で1番うるさくはやいバンドという自己紹介をしてライブの盛り上がりは加速していく。メロコアの魅力を十分に感じられる楽曲たちからは青春の風が吹いてくる。1曲1曲に力強さもありながら、メンバーの楽しさが伝わってくるライブステージ。
半年前はこのステージに立っているとは思ってなかった。ヴォーカルの芽菜のそんな言葉からはイベントへの思いが伝わってくる。最後の曲ですと「奇跡〜ヒカリ〜」を演奏し、彼女たちの決意や思いが心をつかんでくる。最後といわれた「奇跡〜ヒカリ〜」の後にサプライズで1曲「カウントダウン」を歌い、会場は拳を上げ盛り上がりを見せる。
夏フェスらしいメロコアバンドのステージは会場のボルテージを引き上げて、トリのスクう空氣へとバトンを繋いでくれた。]

 

セットリスト
1.蒼
2.real
3.ever free
4.風のキオク
5.奇跡〜ヒカリ〜
6.カウントダウン

 

Twitter透明な7日目の真実 (@toumei7th) / Twitter

 

 

 

スクう空氣

8組のアーティストからバトンを受け取りトリのステージを務めたのは、主催の一山楓が率いるバンド、スクう空氣。1曲目「君の世界」は、ポップでキャッチーなサウンド。夕方のまだ暑さの残る時間にさわやかな風のように会場に届けてくれる。
ヴォーカルの個性もあり聞き心地のいい歌声をよりさわやかなものとしてくれるバンドサウンドと鍵盤の音色。「僕は最低最悪な男でした。」と2曲続け会場をもりあげてくれ、MC では、主催だからこそ感じられる逆転カンサイFES.への思いがつげられる。かかわってくれた人やアーティストの方、そして今日来てくれたお客さんに向けて感謝を伝える。
そんな彼の思いと共に「ナイトクルージング」が歌われる。彼らの気持ちが詰まった「ナイトクルージング」は心にグッとくるものがあった。ノスタルジックなサウンドと彼のハイトーンボイスな歌声にのせて会場の人たちの心に入っていっただろう。最後の曲「エンドロールは最後まで」で会場を盛り上げステージを締めくくる。

 

セットリスト
⒈君の世界
⒉僕は最低最悪な男でした。
⒊ナイトクルージング
⒋エンドロールは最後まで

 

Twitterスクう空氣 (@suukuukuuki) / Twitter

 

 


スクう空氣のライブの余韻が残る会場に再び全出演者が集まる。今回のイベントのために全員で作り上げたテーマソング「青春をとりもどそう」を出演者で歌い上げる。それぞれのアーティストの歌声や個性を生かした楽曲。タイトルをしっかりと感じさせる青春。出演者、観客が一体となり、イベントは終わりを迎えた。


逆転関西FES.は、関西のインディーズシーンを盛り上げる為に一山楓が主催となりスタートしたイベント。コロナ渦となり、ライブハウスはもちろん音楽業界全体が不穏の空気となった2020年。そんな空気を変えていこう、音楽シーンを盛り上げようという気持ちが今回のイベントにつながっている。

 

今回私はこのイベントに初めて参加した。主催だけでなく、1組1組がこのイベントへの思いが伝わってくるイベントだった。今回のテーマ「青春をとりもどそう」をそれぞれが自分たちのやり方で表現したライブ。そんなライブを見ていると、青春時代に戻った方も多くいたのではないだろうか。


アーティストだけでなく、開催までに多くの準備をしてきたスタッフの方々からも熱量が伝わってくる素晴らしいイベントだった。

今回のライブレポートを見た方が、次回開催されるのであれば行きたいと思ってくれたらうれしいです。ありがとうございました。

 

 

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