ただの音楽ファンが見る音楽業界

楽器経験もない音楽ファンが毎週200曲以上の新曲から好きだったものを紹介。音楽業界についてやおすすめのアーティストも定期的に書いてます。

≪ライブレポート≫ユメカナエフェス2023

10月15日、東大阪市花園中央公園で開催されたユメカナエフェス。前日は雨で開催の不安もよぎったが、そんな不安を払拭させるかのように澄み渡る青空が開催を祝福する。
今年は全部で8ステージ、47組の出演者がイベントを盛り上げる。前年度の倍にもなったステージを全て紹介することはできないので何組かをピックアップして当日の様子をお伝えします。

 


シモムR (しもむあーる)

シモムRphto by etsu

今回初めて行われたオーディション。東大阪市枠と学生枠の2つの枠が設けられていた。そんな学生枠のオーディションを勝ち取ったのは、高知県から来た姉妹ユニット、シモムR。

姉妹そろって元気よく、『シモムRです!』と挨拶からスタート。妹のシモムRうみりがバケツドラムでリズムを取り、姉のシモムRシュガは小さな体でエレキギターを弾く。1曲目のオリジナル楽曲『にこにこのうた』が青空の中会場に響き渡っていく。可愛らしい歌声に、人は吸い寄せられるかのように徐々に集まっていった。爽やかな風に髪を靡かせながら歌いあげる二人。姉妹の仲のいい歌声は美しいハーモニーを作り出していく。曲が終わると元気よく『ありがとうございました!』と声を合わせて感謝を伝えると会場からは拍手があがる。

『10月はいろんなライブがあるからやれるか不安でしたが、やれるかじゃなくてやるかが大事ですとうみりがいいました。そんな曲です!』とオリジナル楽曲「ひるやすみのうた」を披露。エモーショナルなエレキの音色が彼女たちのかわいらしくもあり、力強い歌声が風にのって観客達の心に届いていく。『やれるかじゃなくてやるか!』と2人が声を合わせて歌い上げる姿はこのステージをやりきる、夢に向かって立ち進んで行くという決意を感じられた。

続いてCreepy Nuts「のびしろ」をカバー。リズミカルなバケツドラムのサウンドとエッジの効いたギターの音色、ギターボーカル、シモムRシュガのかわいらしく芯のある歌声が本家とはまた違う個性を作り出していく。そのまま間をあけず、Vo.&Gt.林 萌々子が東大阪市出身でもあるHump Backの代表曲「拝啓、少年よ」をカバー。歌詞の【馬鹿みたいに空がキレイだぜ】というフレーズはまさに今の花園中央公園をあらわしているかのようだった。

『次の曲で最後です。2人でYouTubeをしてるので、絶対にみないでください。』『嘘です。絶対みてください。』と姉妹の掛け合いがかわいらしく観客たちも思わず笑みがこぼれる。最後は「さよなら」を披露。【さよならまた会いましょう、できればこの場所で】というフレーズは来年またユメカナエフェスで会いましょうという気持ちが込められていた。東大阪は、2人にとって初めての土地だったかもしれない。そんな中、彼女達らしく元気よくイベントのスタートを飾ってくれた。

 

セットリスト
1.にこにこのうた
2.ひるやすみのうた
3.のびしろ
4,拝啓、少年よ
5.さよなら

X (旧Twitter):シモムR (@nbKWG8KGgRamlOM) / X



花園ラグビー場がホームスタジアムのFC大阪。イベント当日は、【明治安田生命J3リーグ FC大阪 vs FC岐阜】の試合が同時開催されることもあり、ユメカナエフェスではFC大阪合同ステージが設置された。キッチンカーやFC大阪のグッズ販売の出店などが立ち並ぶ中、1台のトラックがステージとなり会場を盛り上げていた。



ケシカルカッコ

ケシカルカッコ phto by 原田

FC大阪合同ステージに立ったのは、稲積帆波(作詞/vo)と松内功太(作曲/A.Gt/Cho)による2人組ユニット、ケシカルカッコ。

2人は向かい合わせとなり「ハイダウト〜橙と黒の基地で〜」を披露。アコースティックギターの音色とハスキーで芯のある稲積の歌声が暑い太陽の日差しと共にを会場に広がっていく。掻き鳴らすようなギターのサウンドにのせて、稲積は青い空を見つめながら歌い上げ、曲が終了すると1曲目から会場は拍手に包まれる。『ケシカルカッコと申します!よろしくお願いします!』

続いては「きょうも戦士は大きな声で」を披露。ムーディーなメロディにのせて彼女は挑発的な目で踊るように歌っていく。ラストはコーラスも入り、2人の歌声が調和し、心に響いていった。次に披露されたのは「バッチグー!」。『いきますよー、手拍子いけますかー!』という稲積のあおりを受けて広がっていく手拍子。松内が奏でる疾走感のあるギターのメロディと明るく楽しく歌い上げる稲積の歌声が風にのせて多くの人に届いたのか、観客たちはどんどん増えていった。

 

東大阪のみなさん、今日は1日楽しんでください!』松内功太の地元でもある東大阪市。『地元のみなさん、こんにちは!』と稲積が叫ぶと会場からは拍手が起こる。そんな情景を見て『ありがたい。』と松内は静かに一言地元の人達に感謝を伝えた。

ケシカルカッコから最後に聞いてくれた人達に想いを伝える。『お母さんから娘さん、先輩から後輩など引継ぎながらやっても複雑な時が多いです。そんなテーマで作った「Copy and Paste」という曲を歌います。最後まで楽しんでください。』歌詞に込めた想いが心にスーッと入り込んでいく。私の生き様をそのままあなたに。未来への愛情を込めた歌詞が青空を通して未来へ届いていくようだった。最後は、彼女のフェイクが天高く舞い上がっていく。太陽、風、空気が2人のライブを何より素晴らしいものに変えていく。1人1人の心に届けるライブパフォーマンスをしてくれた。


セットリスト
1.ハイダウト〜橙と黒の基地で〜
2.きょうも戦士は大きな声で
3.バッチグー!
4.Copy and Paste

X (旧Twitter):https://twitter.com/checical_cacco

 

花園ラグビー場に併設されているこの場所も今回のステージ。福祉と社会をつなぐことを目的とし、2022年9月にオープンをしたひとつなぎカフェ。選手やスタッフ、地元の方など様々な人に愛されているこの場所を東大阪市在住のアーティスト、ぷすっぽがひとつなぎステージと題してステージ担当を行った。

 


ぷすっぽ

ぷすっぽ phto by りゅーく

東大阪在住のGt.VoゆうとDr.Voあいりずむの2ピースで活動中のぷすっぽがひとつなぎステージのトリを務める。『いい天気になってよかったですね!まだ12:00です。お昼前から集まってもらえて嬉しいです!』
リズミカルなギターの音色を奏でながら「ロックンロールで踊り明かそう」がスタート。ゆうとの色気がありかっこいい歌声。あいりずむは明るく笑顔でタンバリンを叩くとリズムに乗せて会場からは手拍子が届けられる。
曲が終わると、同時開催されるFC大阪の試合を楽しみにしている観客たちに向けて『早いですが、このステージは最後です。このあとはサッカーの試合も楽しんでください!』と伝えられた。続いて「Singing the Rain」を披露。男女2人が作り出すハーモニーが会場内に響き渡っていく。タンバリンを叩きながらあいりずむは会場を歩き回り、音楽だけでなく彼女の1つ1つの動きがライブの楽しさを増幅させてくれる。リズミカルになるタンバリンの音と合わせて会場の手拍子が幸せの音色を作り出していく。ラストは、ゆうとが声量いっぱいのフェイクを見せてくれる。

2人のライブを聞きつけて、ひとつなぎカフェの入り口には人が増えていった。そんな状況をみて『是非、近くで見てください!』と促し、会場はどんどん観客たちで溢れていった。

 

『2人の地元花園!今日は念願の自転車で来ることができました!』と地元でライブができる嬉しさを語る。そんな2人のユニット名ぷすっぽは、ポップスからつけられている。POPで溢れた楽曲「P・O・P」を披露。『P・O・Pの文字も体で作ってください!』と歌に合わせてP・O・Pの練習をする会場。楽曲がスタートすると会場の手拍子、体で作るP・O・P、楽しく歌い上げる2人の歌声が作り出す一体感は幸せな空間へ。最初はやらなかった人たちもこの幸せな空間に思わず一緒になってP・O・Pの文字を作っていく。

『早いもので次が最後です。暑いので体調には気をつけて楽しんでください!』『花園出身で自転車圏内で多くの人に見てもらえて嬉しいです。』と2人は改めてイベントは見てくれた人達に感謝を伝えた。
最後はユメカナエフェスのコンピレーションアルバムにも収録されてる「バースデー」を披露。歌い出しからパワフルな歌声で心の奥底まで響いてくる。生まれたことへの感謝や愛情を込めたこの曲をカホンのリズムに会場の手拍子が彩られてひとつなぎカフェは愛情に溢れていく。最初から最後まで幸せで包まれたぷすっぽのライブ。多くの人たちの心にぷすっぽの音楽は深く突き刺さったことだろう。

 

セットリスト
1.ロックンロールで踊り明かそう
2.Singing the Rain
3.P・O・P
4.バースデー
X (旧Twitter):ぷすっぽ///12月2日に単独公演します🆕 (@pusuppo) / X

 

日曜日に大阪城の近くで開催されているストリートライブ。城天ストリートがユメカナエフェスに登場。ユメカナエステージと向かい合わせになっており、太陽の日差しを受けながら音楽を届ける城天ステージ。

 

気づいたら劇団

気づいたら劇団 phto by Tamaki Takumi

阪堺発!4人と1匹、キラキラミュージカルバンドの気づいたら劇団が城天ステージに登場。『いくぞー!気づいたら劇団のステージがはじまるよー!』とVo.みらいの掛け声からスタート。初めての人にも知ってもらえるような自己紹介楽曲「ようこそ、気づいたら劇団」を披露。彼女のかわいい歌声とポップなメロディが一瞬で空気を作り上げていく。歌の中でも観客達に挨拶。みらいはギターを持ち、バンドサウンドはより厚みが増していく。
『しかちゃーん!』と呼ぶファンの声でしゃべるマスコットキャラクターしかちゃんが登場。宣伝広報マスコットキャラクターのしかちゃんがかわいくしゃべる姿に会場の人達は明るく笑顔になっていく。

続いては、「HAMUMU」。この楽曲は振り付けがあり演奏前に練習の時間をとり、テンポの速いドラムのリズムにあわせて会場のみんなが踊りだす。『HAMUMUー!』の掛け声と共にポップでどこか懐かしさのあるメロディ。するとドラムの音響トラブルになる。『夢の中に入っちゃったかも?』とそんなトラブルも笑いに変えて明るい空間に作り上げていく。老若男女いろんな人達が踊る姿を見てメンバーの顔からは笑顔が溢れていた。メルヘンな世界観の中に鳴り響くエレキギターサウンドが広い公園内に届けられる。


『やなことがあっても美味しいものを食べて楽しんでください!』と 「くそくそどでかぱふぇ」を披露。ギターの音色に合わせて足踏みをする会場。ステージ裏の歩道橋から盛り上がるステージを思わず立ち止まって見る人たちも多くいた。 
『物理的に回します!』と続いて「グッドモーニングスター」を披露。エッジの効いたロックサウンドでこれまでの楽曲とはまた違った色を感じられる1曲。サビではファンの方々がプロペラのようにタオルを回していく。『甘いもの食べてモーニングスターをまわせば完璧!』
『早いものであと2曲です!』というみらいの言葉を受けて『えーっ!』という歓声が上がっていく。『みんなにはお茶を飲んでホッとしてほしいです。そんなホッとできるような存在になりたいと思っています。お紅茶のんでゆっくりしてください、茶しばきロック!』どこか懐かしさのあるメロディと中毒性のある歌詞。キーボードを弾いてた、Gt&Key.スウィーティはギターを手に持ち、みらいの『ギター!!』の掛け声でかき鳴らすギターソロ。

最後は挫けずにみんなの今後を支える楽曲「挫けnight」。80年代の香りを漂わせるメロディのイントロ。Gt&Key.スウィーティがタンバリンを叩きだし、リズムに合わせて手拍子が広がっていく。『最後までステージをみてくれてありがとう!』と感謝を伝えてステージを後にした。ミュージカルバンドが作り出す世界観がユメカナエフェスをメルヘンな世界へと変えてくれた。


セットリスト
1.ようこそ、気づいたら劇団
2.HAMUMU
3.くそくそどでかぱふぇ
4.グッドモーニングスター
5.茶しばきロック
6.挫けnight

X (旧Twitter):https://twitter.com/KIRAKIRA_power5


FC大阪のサポーターで盛り上がる噴水広場。その近くにある東大阪市民美術センター。ステージのバックには日本庭園と青空。そんな景色がアーティストを彩ってくれるこのステージはSlowBirdステージ。今年9月に一時閉店をしたライブハウスSlowBirdが主催するアコースティックステージとなっている。

 


あおいはるか

あおいはるか phto by ヒカル

神戸市出身在住のシンガーソングライターあおいはるか。きれいなメロディをアコースティックギターで奏でながら1曲目「special day」を披露。弾き語りで作り上げるギターの音色がきれいに会場全体に広がっていく。続いて、「closer」。静かにリフレインするギターの音色が彼女の優しく寄り添うような歌声と合わさり観客1人1人の心にスーッと入り込んでいく。

『すごい!晴れましたね!晴れることを祈ってましたが快晴でした!みなさん好きなタイムスケジュールでイベントを楽しんでください!』前日まで雨が降っていたからこそ、彼女も心配をしていた。彼女に限らず多くの人の想いが届き快晴に繋がったのだろう。

 

ふと息をつき、出演への想いを語る。『ユメカナエフェスに誘ってもらえたことが嬉しかったです。フェス出演の経験がなかったこともありますが、コンセプトがすばらしいなと感じました!ワンちゃんの譲渡会があることがとても素晴らしいです!』
彼女自身、自宅にはワンちゃんがいる。そんな大好きなワンちゃんに向けた楽曲「のこりのきみにはふくがある」を披露。彼女のギターの音色にあわせて、後方にいた子供が思わず手拍子。彼女の美しい歌声が子供の心を自然と掴んだのだろう。暑い日差しの野外フェスの中、素晴らしい景色と歌声が心と体に癒しをくれる。

『大事な1曲を届けます。』と告げて「正解」を披露。音を止め静かな会場に彼女の朗読が響く。彼女の歌声、歌詞、ギターの音色が心に入り込み寄り添ってくれる。徐々に増える音数が伸びのある美しい歌声と共に疲れた心を癒し、文字を打つ私の手を止めてしまうくらい聞き入っていた。曲が終わると会場からは大量の拍手が送られえた。

『今日はこの場所を選んでくれてありがとうございました!』感謝を伝えて最後は、「トリコグラム」。これまでとはまた雰囲気を変えて、アップテンポでポップな楽曲。手拍子と共に体は思わず踊り出す。美しい歌声と綺麗なギターのメロディで心と体に癒しを与えてくれる素晴らしいステージとなった。

 

セットリスト
1.special day
2.closer
3.のこりのきみにはふくがある
4.正解
5.トリコグラム
X (旧Twitter):あおいはるか (@aoharu_ssw) / X

 

花園中央公園の中央に構えられたアコースティックステージ。バンドサウンドが響く公園内にある癒しの空間。それは、実行委員でもあるKENGが担当をするトライステージだ。ユメカナエフェスも終盤となり、ここからユメカナエフェスの実行委員が歌いつないでいく。

 

 

KENG

KENG phto by 瀬戸


トライステージのトリを飾るのは大阪府高槻市出身在住のシンガーソングライターKENG。『嬉しいお知らせがあります!ユメカナエフェスがトレンドに入りました!』多くの人のポストのお陰でユメカナエフェスがXの大阪のトレンドに入った感謝を伝える。涼しい風が吹く会場にピアノのきれいで美しい音色が広がっていく。優しくあたたかい歌声でこれまで実行委員として活動をしてきたユメカナエフェスへの想いを込めて「Sunny」を歌い上げる。この先の未来、新しい未来に届けていくかのように。


トライステージのトリとなるステージでこれまでの想いを語る。『1年をかけて作ったユメカナエフェス。1年を時間にすると8760時間。その中の7時間の為に頑張ってきました。いろんな人に支えて頂き大きなイベントになっていってます。気取ったりせずしんどいと思うことがあっても誰でもチャレンジできるようなワクワクできるフェスになっていくと思います。』2年目となったこのイベントの成長、このイベントに関わってくれた人達に感謝を伝える彼の顔はやさしい笑顔をしていた。

『朝まで降ってびちゃびちゃでしたが、イベントがスタートしたら雨が降らなくなりましたね。』そんな天気に感謝を込めて「あの空のように」を披露。鍵盤が奏でる音色と彼の優しい歌声からはこれまでのユメカナエフェスが繋いできた時間を思い出される。彼の歌声が風と共に広がっていき、人はどんどん集まってきた。


『いろんな人に来てもらえて嬉しいです。今日いろいろ回ってたんですが多くの人に今日はカレーはないんですかと聞かれてしまいます。キッチンカーを買えたらやりたいなと思います。』と笑いまじりに伝えた。普段はライブハウスでカレー販売をすることが多い彼は、カレー王子と呼ばれることも少なくはない。そんなカレーの印象を強くさせるのはこの曲の影響もあるだろう。いい音楽にはいいごはんを、何気ない日常に伝えたい「カレー曜日」を披露。ポップで優しいメロディで大人から子供まで楽しい気持ちにしてくれる。甘くておいしいカレーのように多くの人の心を暖かくしてくれるような楽曲だ。

『昨日から泥だらけになりながら、晴れるか不安だったけど晴れて予定通りできることに感謝したいと思います。みなさんが来ていただいたからこそより盛り上がっております!動いてる人がいるから私もできるかもと思う人が増えるかもしれません。私もその1人です。大切な人が身近にいるから思えるんだと思います。夢がいっぱいのユメカナエフェスに愛を置いて帰ろうと思います。『愛を読む人』。』

ピアノの旋律が心にスーッと入り込んでいく。優しい歌声は1人1人の心に寄り添い言葉を届ける。西日が照り付け、少し肌寒さもある風にふかれながらシャボン玉が宙を舞う。バックには犬と散歩をする幸せそうな家族の姿。1つ1つの目の前にある光景はまるでミュージックビデオを見ているかのよう。曲が終わると会場からは拍手が起こる。多くの人が彼のライブに魅了されたことだろう。

 

セットリスト
1.Sunny
2.あの空のように
3.カレー曜日
4.『愛を読む人』

X (旧Twitter):KENG🍛🎹🎤 シンガーソングライター (@utautai_KENG) / X

 

ナンカノユメ

ナンカノユメ phto byTamaki Takumi

城天ステージのトリを飾るのは実行委員の841がボーカルを務めるバンド。関西の歌ものポップロックバンド、ナンカノユメ。新曲「なんでもやさん」からライブはスタート。ギターの音色とベースラインが際立つサウンド。おしゃれでポップなメロディにのせて841はスキップをしながらステージを練り歩く。そんな彼女の顔からは笑顔が溢れていた。Gt.daishiは同時開催されているFC大阪のユニフォームに身を包み演奏する。曲が終わると一息つく間もなく、ドラムのリズムがなり始め「Ready Go」が披露される。

841が『手拍子いけますか!』と叫ぶと会場は手拍子でどんどん盛り上がっていく。そんな会場の盛り上がりを見て人だかりは増えていく。城天ステージの後ろにある歩道橋にはFC大阪の試合終わりで帰っていく人達が思わず足を止めていた。サビと共に拳を振り上げる841と一緒に観客たちも拳を振り上げ一体感を作り出していく。夕焼けへと変わる時間帯。会場には涼しげな風が吹き、彼女の髪をなびかせる。

『いいですね。さすがユメカナエフェス!みなさんがいい1日だと思ってくれたら嬉しいです!どうですか?』との彼女の問いに観客達からは歓声が届けられる。続いて、コンピレーションアルバムにも収録されていた「レンプラント」を披露。夢に向かった応援歌。ユメカナエフェスの未来とナンカノユメのこれから、そして、一人一人の夢への実現を後押しさせる歌詞が届けられる。『実は今日ビラ配りもしてました!今日初めての方見てくれてありがとう!』と彼女たちを初めて見てくれている人達に感謝を伝える。

『実行委員になってからここに立つのは長かったようで短い時間。この後向かいのステージに立つミラちゃんがこういうフェスをやりたいと思って作っています。実行委員もいろんな人がいて一緒にやっていく中で当日どうなるかわからないことも多かったですが、こんな素晴らしく大きなフェスになりました!』今年ユメカナエフェスの実行委員となり様々な経験をした彼女だからこそ昨年の出演とはまた違った景色があったのだろう。

 

『後3曲でミラちゃんにつなぎます、クーニャンという新しい曲を作りました。聞いてください。』彼女の艶やかな歌声で歌われる恋の歌。エモーショナルなメロディ。ラストのギターサウンドは心の奥底まで響き渡っていく。

『まだまだ盛り上がれますか!人生は一度きり、そんな曲です。人生ゲーム!』メンバーはお立ち台にたち、集まった人たちはそんな姿を見て喜ぶ様子が伺える。手を振る841に合わせて会場は一体感を出して手を振る。『私の想いは伝わりましたか?』と841が告げるとラストにバンドとしても代表曲でもある「ミナミが笑う」のイントロが演奏される。イントロを聞くだけで会場からは盛り上がりの声と手拍子で包まれていく。
『みなさん、ひとつになりましょう!』そんな言葉をうけて会場は手を挙げひとつになる。『いい1日になりますように。ナンカノユメをお願いします!』最高のステージで大トリのMiranda Otsujiにバトンを渡した。

 

セットリスト
1.なんでもやさん
2.Ready Go
3.レンブラント
4.クーニャン
5.人世ゲーム
6.ミナミが笑う
X (旧Twitter):https://twitter.com/nankanoyume2019


朝から続いたユメカナエフェスもついにラスト。ユメカナエステージで1日司会を続けてくれたnaoが元気よく最後の仕事を勤め上げる。そんな頑張っている彼女の姿を見て親のように暖かい眼差しで見つめるMiranda Otsujiの姿があった。

 


Miranda Otsuji

Miranda Otsufi phto by  etsu


ユメカナエフェスの代表でもあり、東大阪で生まれ育ったシンガーソングライターMiranda Otsujiの登場。『みなさんいつもありがとうございます!花園ラグビー場から来ましたMiranda Otsujiです!こんな時間までありがとうございます。誰かの救いになりたいと思ってやってきました。沢山の人に救ってもらって今回のユメカナエフェスができました。そんなみなさんのおかげで生きてます。誰かのために生きていますと思ったけどみんなのおかげで生きています!』そんな想いを込めて作った楽曲、「ライフ」を披露。

この1年間の想いを込め、1人1人に愛を伝える。そんな彼女の歌声を受けて愛に包まれた手拍子の中、ポップなサウンドが会場に響く。会場の暖かい雰囲気を受け取り彼女の表情は今にも泣きそうだ。『花園中央公園から全国にラブ&ピースを届けませんか!』観客全員のラブ&ピースが広がっていく。この瞬間、間違いなく世界一平和な場所に花園中央公園はなったことだろう。

『夢を追いかけるのはめちゃくちゃ大変です。家族が見に来てくれてますがこれまで迷惑をいっぱいかけました。体を大事にして生きているからこそ夢を見ることができます。そんな両親にむけて、歌います。あほんだら。』
コンピレーションアルバムにも収録されたこの楽曲。ポップなメロディにのせて、彼女の人間性溢れる歌詞が届けられる。今日まで育ててくれてありがとう。と両親への感謝の想いを心いっぱい込めて歌い上げた。家族への想いをのせたこの楽曲は1人1人の心にも深く響いたことだろう。
続いて映画の主題歌でもある新曲「Deneb」を披露。持っていたギターを置いて観客たちとに向かい合いながら踊るように歌う彼女。壮大になっていくバンドサウンドに乗せて手を広げて歌う姿は大空を舞う鳥のようだった。

『次で最後になります。』と彼女が告げると会場からは『えーっ!』という歓声があがる。『夢は花園ラグビー場でユメカナエフェスを開催すること。みなさまのこれからの朝を素晴らしいものにできたらと思って歌います!ASA!』と元気よく楽曲がスタート。疾走感のあるバンドサウンドから始まり、今日を楽しんだ多くの人達の手拍子が彩りを与えてくれる。


『ユメカナエフェスを止められないASA!最高のフェスだったなー!』そんな彼女の言葉が歓声へと変わっていく。拳をあげて歌う観客たちの歌声は何十倍の力となり彼女の心に届き次の夢への源になっていくことだろう。

ステージを後にすると息をつく間もなくアンコールの拍手が鳴り響く。『朝から1日楽しんでくれた人、本当にありがとうございます。代表をやらせてもらってるけど1人ではこんなステージはできませんでした。』このイベントを作り上げた実行委員1人1人の名前を呼び感謝を伝える。『ユメカナエフェスのコンセプトである3つを考えるきっかけになったら嬉しいです。』今年のコンセプトは、夢の実現・地域美化。そして動物愛護。そんな動物愛護に向けた楽曲を最後にピアノの音色にのせてアーティスト活動をしている実行委員のメンバーKENG・841・愛野エリイが登場して歌い繋いでいく。1年間走り続けたユメカナエフェス。来年はまた1つも2つも大きくなって帰ってくることだろう。そして、彼女の夢でもある花園ラグビー場での開催に向けてこれからも走り続けていく。

photo by etsu

セットリスト
1.ライフ
2.あほんだら
3.Deneb
4.ASA
フィナーレ.世界は愛で出来ている
X (旧Twitter):Miranda Otsuji🐈🚀11/11.12枚方ジャズスト (@mirandaotsuji) / X

 

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