≪ライブレポート≫「間違いない!!」14th Anniversary 〜宴(En)〜 MINAMI WHEEL EDITION (10/20)
オフィス不知火が主催をするイベント「間違いない!!」。イベンターの不知火さんが間違いないと自信をもって多くの人に見てほしいアーティストを呼ぶイベント。こちらのイベントは今年で14年目を迎える。MINAMI WHEEL EDITIONとして、4日間イベントが開催される今回。記念すべき1日目の様子をお届けします。
SiMA
イベントのスタートを飾るのは、作詞作曲、歌唱、演奏全て自分で行うハイブリッドなヒューマンビートボクサーSiMA。鳥の囀りと共にステージの幕は開き、幻想的な雰囲気を漂わせる青い照明の中、サウンドを作り出し一瞬で彼の世界観を作り上げていく。神秘的なサウンドが鳴り響く中ヒューマンビートボックスが入り、重なり合うサウンド。その場で即興で作り上げるサウンドは、1つ1つが響き合いシンパシーを感じさせる。そんな彼が作り上げる独自の世界観に思わず観客たちは見惚れてしまう。『SiMAです。よろしくお願いします。』と挨拶をする彼に観客は拍手を送る。
ヒューマンビートボックス、歌声、機械的なサウンド、1つ1つが重なり合う。いつしか彼が作り出すビートは自分自身の鼓動を表すかのように音を体現してくれた。会場を彩るモニターにテクノロジーを表すかのような映像が流れ始め、彼の作る音楽を表現していた。
一瞬の間をはさみ、疾走感のあるヒューマンビートボックスのビートがサイレンの音と共に心を躍らせていく。ラップを歌いながらリズムにのる彼の姿はまるで体で音楽を表現しているかのようだった。一瞬の間を開けて楽曲が終わるかと思えば曲は再スタート。その一瞬の間がより心をギュッと掴んでくれた。
『ありがとうございます!』と彼がお礼を伝えると会場からはこれまでのライブの感動を伝えるかのような大きな拍手がおきる。拍手が止まると、エアコンの風の音が聞こえるほど静かな場内に1つのサウンドが聞こえてくる。波紋のように広がるが徐々に大きくなっていきリズミカルなダンスサウンドが作り出されていく。彼が作り出すサウンドに魅了されて観客たちは、自然と小刻みに体を揺らしていく。ひとつの沈黙さえも演出のようにも感じることができた。
曲が変わると、これまで以上にアップテンポのサウンド。彼の歌声が場内に響き渡っていく。駆け抜けていくラップが心も体も躍らせていく。上がり続けるバイブスをより高まらせてくれるようなアップテンポのビートが人々の体と心を震わせてくれる。最後は深々とおじきをして今日という1日を感謝してステージを後にした。そんな彼のパフォーマンスに感謝をするかのように会場からは拍手が届けられた。
セットリスト
1.Wall of Mist
2.Move
3.Overdrive
4.up sweep
5.inventor
6.Hill climb
木挽真典
アコースティックギターの音色を奏でながら、青い照明に照らされて登場したのはシンガーソングライターの 木挽真典。「凍らない水」からライブはスタート。先程までのフロアとはガラリと雰囲気を変えて彼の哀愁漂わせる歌声と昭和歌謡を聞いているようなどこか懐かしさのあるメロディ。アコースティックギターの一筋の音色が会場の1人1人の心に入り込んでいく。
続いて、「スーパーマーケット」を披露。自転車をこいでいるかのようにギターの音色がぐるぐると回っていく。ギターを大きく鳴らして、彼の歌声もどんどん力強くなっていく。その変化は深海から明るい光を探す魚が上がっていくかのようだ。
「ghost flowers」では、ゴーストタウンというフレーズを表すかのように暗闇の中彼の後ろを明るい照明が照らし出していく。曲が終了すると挨拶をして会場からは拍手がおくられる。
『今日は、「間違いない!!」の14周年に呼んでいただきありがとうございます。間違いない音楽に溢れていると思うのでお酒をいっぱい飲んで楽しんでいきたいと思います。』そう伝えると、「ランプ」を披露する。深い森の中を一歩ずつ歩いていくようなギターの音色。彼の歌声はあたたかくやさしさに溢れている。そんな歌い上げる彼を暖かみのある照明が照らす。『ラストソング。』と告げると共に哀愁のあるギターの音色が場内を包み込んでいく。最後の楽曲は、「in the dark」。木漏れ日のような照明を浴びながら歌う彼の歌声は心の奥底まで入り込んでいく。木挽真典というシンガーだからこそ作ることができるライブステージがそこには間違いなくあっただろう。
セットリスト
1.凍らない水
2.スーパーマーケット
3.ghost flowers
4.ランプ
5.in the dark
木挽真典/コビキマサフミ (@MK_siberian) / X
marvel in vain
レトロな空気感が漂う場内に、続いて登場したのはmarvel in vain。1曲目は、「水たまり」。Vo&Gt.平田勇也の伸びのあるかっこいい歌声がギターのサウンドと合わさり、歌を届ける。サウンドは一気に盛り上がり、ドラムのリズムは加速し、Vo&Gt.平田は体全体を使ってギターを奏でていく。サイレンのように鳴り響くギターの音色は会場の空気感を一気に変えていった。ドラムのリズムから一転して、「Physalis」を披露。鮮やかな照明が彼の色気のある歌声とリズミカルなサウンドと合わさりアダルトな大人の世界へ連れ込んでいく。そんなステージは、先程まで木挽真典が弾き語りをしていたステージとは思えない。ドラムのリズムが会場の人達の体を踊らせる。
『ありがとう!』と感謝を伝えると『続いては罪と罰と大雨の歌。ツバメ』と告げて「ツバメ」を披露する。降りしきる雨のように勢いのあるドラムのサウンド。切り刻むかのようにギターは勢いを増していく。
『「間違いない!!」14周年おめでとうございます!』間違えて10周年と言ってしまい、会場からツッコミを受けて、笑顔で訂正をする。『自分たちのバンド活動も13年目になりました。ほぼ同期のようなイベントです。長い年月、情熱を持ってアーティストを集めている不知火さんはすごいです。呼んでいただきありがとうございます!』主催の不知火さんに感謝とこれまで続けてきたことへのの感動を伝える。続いて、「Lotus」を披露。夕焼けのような赤みのある照明と共にエモーショナルなメロディで歌詞を届ける。『じゃあ可愛い曲を1曲歌います。初恋メロンソーダ!』これまでの楽曲とはテイストを変えて、ポップでキャッチーなかわいいメロディ。踊りながら歌い上げるボーカル。弾ける炭酸水のように軽快なドラムのリズム。曲を聴いていると思わず体は弾け出していく。曲が終了すると暗闇の中ドラムのリズムが場内に響き渡っていく。最後は「見たことないのさ」を披露。ジャジーでおしゃれなベース。重なり合うギターのサウンド。ネオン色に光り照らされる彼らがおしゃれでかっこよくライブを届けてくれた。彼らにとってほぼ同期のイベントとなった「間違いない!!」そんなイベントに花を添えてくれたmarvel in vainは次のアクトに素晴らしいバトンを渡してくれた。
セットリスト
1.水たまり
2.Physalis
3.ツバメ
4.Lotus
5.初恋メロンソーダ
6.見たことないのさ
marvel in vain (@marvel_in_vain) / X
Twilight Sword
ファンタジーメタルの異名を持つメタルバンドTwilight Sword。英語で語られるナレーションは映画の世界観を彷彿させる。そんなナレーションが流れる中メンバー達は、座ってスタートの合図を待つ。会場を制圧するような壮大なBGMがファンタジーの世界に連れていく。すると、Vo.アリオンが剣を持ちメンバー1人1人を召喚していくように剣を振り上げていく。怒号のように鳴り響くギターのサウンドからライブはスタート。ドラムのリズムに合わせてVo.アリオンは腕を大きく振り上げていく。屈強な男たちが獲物を狩らんとばかりに音を鳴らし続ける。響きあうギターの音色は心を揺さぶらせる。これまでとは全くジャンルの違うライブパフォーマンスに会場はギャップを感じずにはいられない。速弾きのギターのサウンドにあわせて頭を振り続けるボーカル。激しくかっこいい彼らのステージは幕を開けた。
自己紹介をしたかと思えば、宇宙をイメージさせる幻想的なサウンドが場内には鳴り響く。手を振り上げたVo.アリオンには後光のような光が差し込んでいた。サイレンのように鳴り響くギターのサウンドと徐々にスピードを上げていくドラムのリズム。光り輝く照明の中、彼は力強く歌を届ける。神様への祈りを捧げるかのうようにボーカルはスタンドマイクを握りしめる。
続いて、「Dream of Alexander」では、鼓動を高鳴らせるメタルサウンドが印象に残る。ギターのサウンドはまるで戦いの合図。銃撃のようなドラムのリズムが走り抜けていく。
そんな彼らのステージもフィナーレが近づく。真っ赤に染め上げられたステージの中、大きく叩かれるドラムのサウンドと加速し続けるギターの音色。荒々しく激しいメタルサウンドの中にあるきれいなメロディ。そんなメロディにのせて華やかに歌い上げるボーカルの姿は堂々としておりまるで勇者そのものだった。1つの映画を見ているかのような最高のステージ。最後は英語で感謝を伝えてステージをあとにした。
セットリスト
1.Overture:The Summing
2.Knights of the Twilight Sword
3.Dream of Alexander
4.Bolally
https://www.instagram.com/twilightswordhq/
rale one stanc
今回のイベントのトリを飾るのは、rale one stanc。歌謡曲のSEにのせてメンバーは登場。そんなSEの音楽とは真逆の疾走感のあるバンドサウンドで一気に盛り上げていく。1曲目は「伊豆はどこだ」を披露。走り続けるドラムのリズムの中、くねるように踊りながらVo.nobuは歌い上げていく。華やかに彩られた照明の中ギターをかき鳴らし、ステージが華やかに楽しい時間を作っていく。『ありがとう!』と天高く手を掲げて感謝を伝える。続いて、「揺れる運命の糸」を披露。体が思わず踊り出したくなるようなサウンド。Vo.nobuの手拍子に合わせて観客たちは手拍子をして会場はひとつになっていく。『ギター!!』の掛け声を受けてGt.ヒガシグチダイキがステージ前方に現れてギターソロを奏でる。その間も手拍子で会場はどんどん熱量を上げていく。
『楽しんでくれてますか!不知火さんの14周年の1日目。今日がちょうど14年となる大事な日に呼んでくれてありがとうございます。』主催の不知火さんへの感謝を伝えて、「振り子の法則」を披露。足音のようなベースラインが鳴り、存在感のあるギターの音色。ロックサウンドの中にある親しみのあるポップさ。歌唱力の高いnobuの歌声が会場内に響き渡っていく。赤い照明の中、披露されるギター捌きが多くの人を虜にさせていく。カメラに向かって、寝そべりながら、ギターを弾くパフォーマンス。寝そべりながら演奏をする当たり前のように歌い上げていく。彼らの音楽が持つアダルトな雰囲気でライブはどんどん突き進んでいく。拳を上げて彼らのパフォーマンスに盛り上がる会場。そんな観客たちのパワーを受けて、彼らはより激しく楽しくパフォーマンスを続けていく。
息をつく暇もなく、続いて「レトリック」を披露。哀愁を漂わせるギターのメロディ。心に入り込んでいくベースライン。最後はドラムのリズムに合わせてメンバーはひとつとなる。
エモーショナルなギターのメロディの中、感謝を伝える。『14年間続けていくということはすごいことです。バンドをやってきて紆余曲折ありました。だからこそ、続けることの難しさを知っています。自分達を鼓舞するための楽曲を最後に届けて終わりたいと思います。Starting Over。』心に深く刻み込まれるギターのイントロ。スタンドマイクをもち、まっすぐと歌を届ける。彼らのこれまでの道のりを一つの歌にした楽曲。まっすぐ心にスーッと入り込んでいく歌、琴線に触れるギターの音色。会場の人たちの心の奥底に入り込んだことだろう。
ライブが終了するとステージを後にする彼ら。そんな彼らの後ろ姿を引き止めるようにアンコールの拍手が鳴り響く。『遅い時間までありがとう!せっかくなんで一緒に歌ってくれますか!』とラストは「君に会いにいく」を披露。
ドラムのリズムに合わせて手拍子。『かならず』のフレーズを一緒に歌い出す場内。『元気な姿で俺たちに会いにこいよー!』との言葉に『かならず』と返す場内。最後は会場をひとつにして今日という間違いない1日を締めくくってくれた。
セットリスト
1.伊豆はどこだ
2.揺れる運命の糸
3.振り子の法則
4.レトリック
5.東雲
6.Starting Over
en.君に会いにいく
rale one stance (@rale_one_stance) / X
今年14年目を迎えた不知火さん主催の「間違いない!!」。音楽が大好きな彼が大好きなアーティストを多くの人に見てほしい。そんな愛情が詰まったイベントは、毎回異種格闘技のようにジャンルの違うアーティストが集まっている。このイベントに行くと新しい音楽と出会えること間違いない!!
【関係者】
主催:オフィス不知火 (@a_starphase25) / X
カメラマン:石子 (いしかわ まゆ) (@bass_ishiko) / X
ライブハウス:FootRock&BEERS (@FootRock_BEERS) / X
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