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『ユメカナエフェス』ライブレポート

【記事公開日:2022/10/22】

 

10月16日(日)東大阪花園中央公園周辺施設にてユメカナエフェスが開催された。主催のMiranda Otsuji の地元東大阪市でフェスを開催する。そんな夢が実現した動物×音楽チャリティーフェス。


このイベントの成功を願うすべての人たちの思いが届いたかのように、10月中旬とは思えないくらい、日差しが強く暑い一日だった。

4ステージある為すべてのアーティストのライブレポートを書くことは難しい。その為、厳選した7組のアーティストライブの熱狂ををお伝えします。

 

 

ドットルーム

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ドリーム21ほしっこ広場が会場となったメインステージ、ユメカナエステージ。主催のMiranda Otsujiの開幕宣言からこのイベントはスタートする。ユメカナエフェス全体で最初の出番を務めるのは、ドットルーム。いきなり歌い出しから始まり、軽快なピアノと共にこのイベントを祝福するかのように始まったのは「anniversary」。彼らの作り上げるバンドサウンドは、会場の空気感を一気に作りあげてくれる。
会場のボルテージを上げるかのように心地よいリズムで疾走感のある「escape」が続けて披露される。軽快なドラムのリズムと鍵盤の音色でよりライブは楽しくなっていく。MCでは、ユメカナエフェスの主催であるMiranda Otsuji への思いを語る。これまでの縁があるからこそ、がんばりすぎてしまう彼女への心配も伝えながらも夢であったこのフェスの一番手を任せてくれたことへの感謝を告げる。自分達の音楽を届けるためにライブをする。そんな決意を胸に現在連続デジタルシングルリリースの中の楽曲である「BGM」を演奏する。軽快なリズムでスタートをして、会場は自然と手拍子で盛り上がっていく。最後はグルービーな雰囲気の「カラメルの雨」で締めくくり、また違ったドットルームの魅力を見せつけてくれた。ユメカナエフェスの一番手という大事な役割を見事にやりとげてくれた。

セットリスト
1.anniversary
2.escape
3.友達(仮)
4.BGM
5.カラメルの雨

 

 

 

夏海

太陽が輝き日差しの強い花園中央公園の一角に作られた逆転カンサイFES.ステージ。そんなステージの1番手を務めたのが夏海。青空の下、彼女の歌声が響き渡る。彼女の歌い出した瞬間、空気がかわり自然と彼女の音楽を聞こうという気持ちを作り上げてくれる。ピアノの音色と彼女の切なく繊細な歌声で歌われる「もしも」。切ない雰囲気で心にスーッと入ってくる歌声。この曲で作り上げた印象をいい意味でガラリと変えてくれたのが歌謡曲テイストの「甘い蜜」。どこか懐かしさもありながらかっこよく、ライブで音源以上により魅力的になっている。

MCでは今の活動についてや1曲目に披露をした「もしも」が映画『月下香』の主題歌に抜擢されたことを告げる。「夜空に舞う花」を歌い上げ、かわいらしさもありながら儚さもある歌声でまた新たな彼女の一面を見せてくれる。最後は「言いたいことは、つまり」を手拍子とともに青空の下でさわやかに歌い上げる。かわいらしさとともに力強く、透き通った歌声で会場を盛り上げてくれた。今年の5月にシンガーソングライターを始めたとは思えないライブ。今後彼女は、シンガーソングライターとして大きく飛躍していくだろう。

セットリスト
1.もしも
2.甘い蜜
3.カキツバタ
4.夜空に舞う花
5.言いたいことは、つまり

 

 


スクう空氣

直射日光が降り注ぐ逆転カンサイFES.ステージ。逆転カンサイFES.の主催でもある一山楓が率いるスクう空氣が登場をする。ヴォーカル一山楓のさわやかな歌声と鍵盤のきれいな音色が始まりを告げる。彼らのライブを祝福するかのように会場には涼しげな風が吹き、来月リリースされる新曲「君の世界」からライブはスタートする。ドラムの代わりにカホンで演奏をしてアコースティックスタイルで行われた今回のライブ。カホンのリズムが暖かく穏やかにバンドサウンドを彩る。続いて始まったのは、「エンドロールは最後まで」。空気感をしっかりと作り上げ、思わず立ち止まって彼らの演奏を見ている人もいた。

実行委員でもある今回のユメカナエフェスへの気持ちや来月開催されるレコ発へのバンドとしての決意をMCで語る。そんな思いと共にアカペラでスタートをしたのは、今度リリースされるEPに収録されている「僕は最低最悪な男でした。」見事に歌い上げて同じく収録されている「約束」へと続く。ピアノの音色が会場内に響き渡り、彼の歌声が心にジーンとはいってくる。しっとり歌い上げるスクう空氣のパフォーマンスに興味を持ったかのようにまぶしい太陽の日差しが降り注ぐ。

来年3月11日に控える次回の逆転カンサイFES.への思いを語り、このステージのトリを務める逆転カンサイFES.の仲間である小川健介 にタスキをつなぎ、「ナイトクルージング」でライブを見事に締めくくる。

セットリスト
1.君の世界
2.エンドロールは最後まで
3.僕は最低最悪な男でした。
4.約束
5.ナイトクルージング

 

 

 

山田尚

東大阪市民美術センターの特別室にある美術ステージ。ガラス張りの窓からは日本庭園がみえ、きれいな青空がバックの情景がステージを彩ってくれる。グランドピアノが置かれており、落ち着きのある素晴らしい空間となっている。

そんなステージに、アコースティックギター一本で登場をしたのはユメカナエフェスで唯一、関東から出演をした山田尚史。リハからトークと歌声で会場の空気感を作り上げる。ハイトーンでやさしい歌声は一度聴いたら離れない。1曲目は今の現代社会を歌った「みんな人間」からスタート。歌詞の世界観や歌声から彼の人間性や朗らかな性格が自然と伝わってきた。コロナ禍となり変化をした世の中。旅行が自由となり、新幹線の自由席で立っている人がいた。少しずつ戻ってきている日常を語り、「各駅停車で逢いに行く」を歌い上げる。心にスーッと入ってくる歌声で気づけば聞き入っていた。

3曲目「そのままでいい」では、手拍子で会場は一体となり楽しい空間を作り上げる。他にも多くの人を誘いたかったと思う。そんな中でこのイベントに誘ってくれてありがとうと実行委員に感謝を伝える。ユメカナエフェスのコンピレーションアルバムに収録されている「希望の唄」を歌い上げてライブを締めくくってくれた。

セットリスト
1,みんな人間
2,各駅停車で逢いに行く
3,そのままでいい
4,希望の唄

 


KENG

美術ステージのトリを務めるのはユメカナエフェス実行委員のKENG。3日前まで雨予報だった天気予報。直前まで天気の心配をしていたことが嘘だったかのように、10月とは思えないくらいの日差しのつよい晴天に見舞われた本日。そんな天気の話と共に「あの空のように」でライブをスタートした。青空の広がるきれいな景色をバックにグランドピアノを弾き語る。暖かくやさしさのある歌声とピアノの音色が絶妙に合わさり聴き心地がよく、心にスーッと入っていく。続けて2曲目「ねぇ。恋」では、切なさもありピアノの音色がエモーショナルに曲の世界に入り込ませてくれる。ポップなメロディで日常の楽しさを感じられる「カレー曜日」で会場からは手拍子で盛り上がる。

MCでは、ユメカナエフェスの実行委員として活動をしてきたこれまでの時間を振り返る。実行委員のメンバーはもちろん、出演者やボランティアスタッフの人たちへの感謝を告げる。そんな多くの人への感謝を込めて、希望に満ちたメッセージソング「Sunny」を歌い上げる。1音1音を大切に多くの人に届けたい。そんな彼の気持ちが会場の人に届いたかのように『愛を読む人』を歌い上げた後、割れんとばかりの拍手が会場を包み込んでいた。そんな拍手にこたえて最後は、ユメカナエフェスのコンピレーションアルバムの1曲目に収録をされた「明日からの希望」で有終の美を納めてくれた。

セットリスト
1.あの空のように
2.ねぇ。恋
3.カレー曜日
4.Sunny
5.『愛を読む人』
en.明日からの希望

 

 


LAPH ROI GLENN

花園中央公園内にあるもう一つのステージ、城天ステージ。普段は、大阪城公園の城天ストリートで開催をしているsonicformによるライブステージだ。そんなステージのトリを務めたのが、ユメカナエフェス実行委員でもある愛野エリイがヴォーカルを務めるロックバンドLAPH ROI GLENN。

1曲目は、さわやかさもあり、ロックサウンドがかっこいい「BEST PLACE」からスタートをして会場のボルテージを一気にあげていく。ライブを見ているファンの方々の熱量を感じられ、ライブを初めて見たであろう人たちも徐々に盛り上がっていく姿が広がる。熱量をそのままに「Chapter2」を披露する。続けて、ユメカナエフェスのコンピレーションアルバムにも収録された「YELL」を披露する。声を出して盛り上がりたい、そんな気持ちにもさせてくれる。かっこよく心をつかむヴォーカルの歌声。存在感のある間奏のギター。疾走感のある楽曲で自然と拳をつきあげたくなる。リハーサルで練習をした振付を一緒にやろうとスタートをした「すみっこのキミへ」を披露。手拍子やサビのWOWOと共に手を挙げて会場は一つとなる。ステージバックにある歩道橋を歩く人たちもライブの盛り上がりに思わず足を止めてライブを楽しんでいる姿があった。それくらいライブのパワーが伝わったのだろう。

エリイは、実行委員として動いてきたユメカナエフェスや主催のMiranda Otsujiへの思いを語る。コロナ前にMiranda Otsujiから一緒にやってほしいとお願いをされた。体調の不安定な彼女の誘いを一度断り。心配のない状況で一緒に動こうと話をしたあの日。月日は流れこのイベントの実行委員として動き出した。自分が彼女を支えられるようにと動き出したものは自分の器以上に大きなものへと変化していった。決してお金のある中での運営でもない。一つ一つが多くの人に支えられてこのイベントは成り立っていること。そんなイベントや支えてくれた人たちへの感謝を告げて、「Re:member」を歌い上げライブを締めくくる。城天ストリートで定期的にやっているからこそ、アーティストはもちろん運営も連携がとれた素晴らしいステージが作り上げられていた。

セットリスト
1.BEST PLACE
2.Chapter2
3.YELL
4.すみっこのキミへ
5.Re:member

 

 


Miranda Otsuji

ユメカナエフェスのメインステージであるユメカナエステージ。このイベントの主催であるMiranda Otsujiがイベントのラストを務める。LAPH ROI GLENNのライブが終わり、急いで会場に向かうとそこには大勢の人が彼女のリハーサルを見ていた。ライブがもう始まっていたのかと思わせるかのような迫力を感じられた。

リハーサルを終え、ライブのスタートを飾ったのは「ASA」。華やかでバンドサウンドがかっこいい。サポートメンバーの演奏で歌い上げる彼女の姿は、凛々しくかっこいい。夢であったフェスの開催を叶えた彼女の姿を見に来たお客さんは一体となり、曲が進むにつれて会場のボルテージはどんどん上がっていく。続いて披露されたのは、ユメカナエフェスのコンピレーションアルバムにも収録されている「ライフ」華やかなサウンドと明るく楽しい彼女の歌声がより楽しい気持ちになっていく。間奏のギターのサウンドやベースライン。1曲の中で変化をし続ける楽曲だからこそ、サポートメンバーの一人一人の見せ場がある。

そんな盛り上がりのあるライブステージを「ありがとう」の言葉で終え、ユメカナエフェスへの思いを語る。きっかけは数年前留学中にずっと家族だったペットの愛猫バロンが亡くなったこと。大好きな家族をなくした悲しみが心に残った。保護猫や保護犬の存在や年間2万匹以上が殺処分されている現状を知り、今できることがないかと考えた。自分のできることは歌を歌うこと。強みを生かし動物チャリティーフェスを作ることを決めた。そんな気持ちに賛同をした実行委員のメンバーやアーティストの方々やボランティアスタッフの一人一人に感謝を伝える。涙を流しながら訴える彼女の話を観客はしっかりと心で受け止める。そんな中、コンピレーションアルバムの収録曲でもある「シーケンス」を歌い始める。彼女の気持ちとエモーショナルな歌詞が合わさり心にグッとくるステージとなる。

彼女の思いを受け止め、ライブは終盤となり「Walkie-Talkie」が披露される。会場は自然と手拍子がなり始めて明るく楽しく終わりを遂げる。割れんとばかりの拍手で会場は包み込まれ、ステージを離れる暇もなくアンコールの拍手が湧き上がる。

フィナーレでは、実行委員のメンバーが全員ステージに集まる。KENG、一山楓、愛野エリイの3人が彼女のもとに駆け寄り、改めて感謝を伝える。イベントの最後には、愛猫バロンに向けた彼女の楽曲「世界は愛で出来ている」を4人で歌い上げてイベントは終幕となった。

セットリスト
1.ASA
2.ライフ
3.シーケンス
4.Walkie-Talkie
フィナーレ.世界は愛で出来ている

 

 

Miranda Otsujiの長年の夢であった今回のイベント、ユメカナエフェス。多くのアーティストの方やボランティアスタッフ。会場に来てくれたお客さんの支えがありこのイベントは開催された。

彼女の強い思いがあったからこそ、多くの人にその思いが届き、このような素晴らしいイベントが開催されたに違いない。このイベントに関わってきたからこそ、わかったこともある。実行委員の一人一人が本気でこのイベントに毎日寝る間も惜しんで向き合っていた。そんな気持ちが自分をはじめ、多くのスタッフやアーティストの方に伝わり、このイベントの為に貢献したいという気持ちがイベント全体を向上させたのだろう。


主催のMiranda Otsujiは来年も開催したいという気持ちをライブで語っていた。今年以上にいいイベントになるように今回を経て大きく成長をした彼女がまた来年に向けて走っていくだろう。

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このライブレポートを見た方が次回開催されたら行ってみたいと思ってくれたらうれしいです。読んでいただきありがとうございました。

 


<各ステージカメラマン>
ユメカナエステージ担当
etsu📷撮影受付中 (@PiyoomuE) / Twitter

城天ステージ担当
匠 (@tkantbti) / Twitter

美術ステージ担当ヒカル【10/22 アメ村TOBIRA『むしろ、愛しかない vol.15』】 (@2525bangbang1) / Twitter

逆転カンサイFES.ステージ
石子 (@bass_ishiko) / Twitter

 

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