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Mlle. ✕ オフィス不知火 共同企画 「DUAL SOUL」ライブレポート

【記事公開日:2022/11/20】

11月19日にバンドMlle.とイベンターの不知火さんの共催で行われたイベント「DUAL SOUL」。ライブハウス心斎橋FootRock&BEERSで開催された。

 

Petrichorus

イベントのスタートを任されたのは、大阪を中心に活動をしているロックバンドPetrichorus(ペトリコーラス)。3人組のバンドだが、今回ドラムにMlle.のニキをサポートに迎えた体制でステージに立つ。インストバンドかと思わせるかのようなバンド演奏で始まった「CLR」。おしゃれでグルービーなバンド演奏で会場の空気感を作り出し、彼らの演奏に自然と体は踊りだす。そのまま、続けて歌われたのは「A morning」。男女ツインボーカルの体制で歌われて、1曲目と雰囲気をがらりと変える。メンバー紹介も入り、ギター、ベース、トランペット、ドラムの順にソロパートを披露する。1人1人が演奏力を見せつけて、バンドとしての可能性を感じさせてくれた。

MCでは、今回のイベントに呼ばれたことへの感謝を伝える。ギリギリで決まった今回の出演。ギリギリというワードから関連した話をして会場から笑いを誘った。そんなアットホームな雰囲気の中次に歌うのは、バラード曲「Homie」。トランペットやギターの音色がエモーショナルな雰囲気を際立たせる。ヴォーカルのハイトーンな歌声が曲をより心にスーッと入っていかせてくれる。その後、「みっともNIGHT.」では、ツインボーカルをこなしながら二人がかっこよくギターも演奏をする。4人体制とは思えない程、1人1人が複数の楽器をこなし、バンドとしてのジャンルの幅を確実に広げている。改めて、イベントに呼んでくれたことへの感謝を伝えて最後の楽曲「追い風間近」を披露する。疾走感のあるギターのイントロから始まり、また印象をがらりと変える。トランペットの音色はまるでさわやかな風が吹いてるように感じられる。明るくさわやかに次のバンドへとバトンをつなげてくれた。

 

セットリスト
1.CLR
2.A morning
3.Homie
4.みっともNIGHT.
5.追い風間近

TwitterPetrichorus (@Pet_rich_or_us) / Twitter

 


modern times Bloom

『日常にこぼれ落ちた哀しみをそっと掬い取るような音楽を』をコンセプトに活動をしているmodern times Bloom。SEと共に彼らがステージに立った瞬間からバンドの世界観に入り込んでいく。1曲目は、彼らの初リリース曲でもある「epilogue」。やさしく心に染みわたるヴォーカル中野大地の歌声。繊細できれいなメロディで会場はエモーショナルな空気感に包まれていく。続いて、「雫が零れ落ちたら」が歌われる。歌いだしから始まり、ピアノの綺麗な音色と共に心にスーッと入っていく。この曲の演奏からは、1曲目とはまた違ったあたたかさを感じられた。ヴォーカル中野大地より今回のイベントに呼んでくれたことへの感謝を伝えられる。

取り戻せなくなったあの時の感覚を歌にした楽曲。そう告げられて歌い始めたのは、「葉桜」。アコースティックギターを持ち、弾き語りから始まり、そこからピアノの軽快な音色で一気に明るくなっていく。軽快なサウンドで世界観をがらりと変えて会場を盛り上げる。そして、エロティックで大人の雰囲気を醸し出す「この恋は夜に溶けて」を披露する。かっこよくムーディーな演奏で空気感をしっかり作り上げる。『最後に9月にリリースされた楽曲を歌います。』とギターを置いて「花火はいらない」を歌い始める。エモーショナルな演奏で歌の世界観に入っていく。この曲をライブで聞くのは3度目だが、これまで以上に感情的に歌い上げている印象だった。バンドとしての個性を見せつけて、ステージを後にした。

 

セットリスト
1.epilogue 
2.雫が零れ落ちたら 
3.葉桜 
4.この恋は夜に溶けて 
5.花火はいらない

Twittermodern times Bloom (@mtb___official) / Twitter

 

 

ALL TIME DRUNKER

続いて登場をしたのは、3人組大阪発飲酒系オルタナティブロックバンドALL TIME DRUNKER。緩く激しく酔える音楽を軸にさまざまなジャンルへの邂逅をテーマに活動中。1曲目に披露されたのは、「ハナノネ」。繊細なピアノの音色からはどこか儚さが感じられる。合わさる歌声は個性もありながら力強い。また、ベースやドラムの演奏も力強い。だからこそピアノの音色が際立つのだろう。そのまま「雨の日」へと続けて演奏される。どこか語りかけるような歌声をピアノの音色が彩りを与え、ベースラインやドラムのリズムが強いロックサウンドを放っている。

MCでは、ドラムのこうすけが今回のイベントに誘ってくれたことへの感謝を伝える。現在レコーディング中のCDをもって2023年3月26日にこの場所、心斎橋FootRock&BEERSでレコ発イベントを開催することが発表された。そして、「ブラック」が披露される。メインヴォーカルをベースのしんいちが務めるバラード曲。ハイトーンな歌声でバンドとしてまた違った魅力を見せてくれる。間奏はエモーショナルなサウンドで、かっこいいベースラインに魅了される。Synth.voの中野ツトムがイベントに来てくれた方への感謝を伝えて、最後の曲「ハロー」が始まる。ピアノの弾き語りからはじまり、やさしくスタートする。そこからシックな雰囲気を醸し出し、変化し続けるサウンド展開で圧倒される。ハードロックのような世界観も作り上げて会場全体を一気に盛り上げる。魅力あるステージを作り上げてくれた。

 

セットリスト
1.ハナノネ
2.雨の日
3.ブラック
4.ハロー

TwitterALL TIME DRANKER (@alltimedranker) / Twitter

 


Jun Izawa (LITE)

2003年に結成された4人組インストゥルメンタルロックバンドLITEのベースを担当する井澤惇。現在ソロ活動もしており、今回はソロでの出演。今回、初めての心斎橋FootRock&BEERS。出演依頼をいただいた不知火さんとのエピソードを語り、トークで会場を盛り上げる。そんなMCから始まり、ライブはスタート。VJも行い、ステージだけでなく会場の壁一面に映像が流れる。先ほどまでとは別のイベントに来たかのように錯覚をしてしまうほど世界観を作り上げていた。MCで盛り上がっていた会場の人たちも曲が始まると自然と世界観に入り込んでいくかのように聞きこんでいく。ベースを演奏しながら「ループ・ステーション」を活用して、音を重ねていく。ベースだけでなく打ち込みやVJも行っており、ライブ演奏を生で見ていないと1人でやっているとは思わないだろう。まるで1つの曲を聴いているんじゃないかと思わせてくれる演奏。そして、流れていくように6曲目まで進んでいく。徐々に盛り上がっていく曲の変化に圧倒されていたが曲が進むにつれてフロアがどんどん盛り上がっていく。音楽とVJが作り出す、独自の世界観から圧倒されていたが感動から楽しさへと変わり、音にのせて体が自然と感情のままに踊りだしていくのだ。

再び、MCに入り、初めて出演をしたライブハウスだったが、やりやすくて楽しい場所とお客さんへの感謝を語る。『このライブハウスに根付いているバンドがとてもかっこいいことをしめされました。ぜひ、今後も仲良くしてください』と本日の出演者へ思いを伝える。後2曲披露しますとスタートしたのは、「AUTOMATA」。高揚感を感じられるサウンドからスタートする。演奏されるベースは、渋くかっこいい。打ち込まれたサウンドと合わさり、最高の音楽を生み出す。お礼を伝えて最後の曲として「Fubuku」を演奏する。ベースが作りさす生音と打ち込みのサウンドが融合して、心が洗われるような繊細な世界観を作り出す。見事な演奏技術で会場を独自の世界に変化させてくれた素晴らしいライブとなった。


セットリスト
1.Mine
2.Another Him
3 Last
4.clockwork
5.Blink
6.D
7.AUTOMATA
8.Fubuku

Twitter井澤 惇 (@bass138) / Twitter

 


TIGER&DRAGON(ex.grunband)

ベースとドラムの2人で作り出すインストゥルメンタルロックバンドTIGER&DRAGONが続いて登場。今年の10月にgrunbandから改名をした彼ら。『不知火さんから今回誘われたので、不知火チームです。』とスタートから会場に笑いを誘う。明るく始まったライブの1曲目に演奏をされたのは、「PHOENIX」。まるでギターをかき鳴らしているかのように感じさせるベースのサウンドギターアンプにつながれたベースから生まれる音色は、ベースという楽器のこれまでの前提を覆してくれる。激しいドラムと合わさり、かっこいい空間を作り上げる。「SPY」では、きらびやかな照明の中華やかな二人の演奏が際立っていく。「踊れるか!」と会場を煽り、かっこいいベースラインが会場に響き渡りスタートしたのは、「FESTIVAL」。強いロックサウンドで会場は手を振り上げてボルテージがこれまで以上に上がっていく。演奏後には、『みんなノリがいい。この曲やってよかった。』と気持ちを伝えた。

MCでは、FootRock&BEERSの名前の由来がなんなのかというトークを広げて会場は笑いでつつまれる。『拍子が入り乱れてかっこいい曲をやります。』と始まったのは、「NINJA」。言葉通り、イントロからかっこよく変化し続けるサウンド。ドラムとベースのみとは思えないような演奏力で会場を盛り上げる。ミラーボールが動き出し、スタートしたのは、「MIRRORBALL」。妖艶な雰囲気を醸し出し、会場のミラーボールと共に空間を作り出す。最後は、激しいロックサウンドの楽曲「FOREST &VALLEY」を演奏をして、会場のボルテージを引き上げて、トリのMlle.にバトンをつなげてくれた。

 

セットリスト
1.PHOENIX
2.SPY
3.FESTIVAL
4.NINJA
5.MIRRORBALL
6.FOREST &VALLEY

TwitterTIGER&DRAGON(ex.grunband) (@grunband) / Twitter

 


Mlle.

今回のイベントの主催でもあるMlle.(マドモアゼル)がイベントのトリを務める。2019年に新ジャンルRJP(レトロジャズポップ)を構築すべく結成されたバンドだ。「Scatter」からライブはスタートする。軽快で華やかなピアノの音色とベースラインが心にささってくる。グルービーでありながら力強さもあるサウンドで思わず拳を上げたくなる。続いて、「Phantom」が披露される。シンセサイザーが作り出すデジタル的なサウンドからはどこか80年代の楽曲を聞いているような懐かしさがある。徐々に盛り上がっていく曲展開はかっこよく、シンセサイザーサウンドは中毒性がある。かっこいいベースラインとクラシカルで綺麗なピアノの音色から始まったのは、「Lancelot」。おしゃれでかっこいいサウンドが途中で一度やんでボーカルの声のみになり、彼の歌声が会場に響き渡る。照明と彼らの音楽が合わさりミステリアスな雰囲気を醸し出し演奏されたのは、「JERRY」。レトロな雰囲気もあるピアノの音色と物語を見ているような歌詞。心地よく体は揺れ動いていく。

怒涛のように続いていく演奏で会場のお客さんは、彼らのライブを楽しんでいる様子が伝わってくる。全体を通して感じられるレトロジャズポップ。どこか懐かしさもありながら、新しさも感じられる。「Syndrome」はまさにそんな曲。ダークでジャジーなピアノの音色。ツインボーカルで作り出す世界観は、どこか神秘的にも感じられる。普段、MCをしないが今回は主催のイベント。『憧れの方と共演する事が出来て、めちゃくちゃ楽しいイベントになりました!』とお客さん、ライブハウス、出演者たちに感謝を伝える。『アンコールをやらないので最後の曲になります。』と告げられ、始まったのは「JUMBLE!!」。軽快なピアノやギターの音色で体は踊りだす。Mlle.
だからこそ作り出せるジャジーでかっこいいサウンド。体は自然と踊りだし、彼らのライブを心から楽しませてくれる。イベントを見事に締めくくった。


セットリスト
1.Scatter 
2.Phantom
3.Lancelot 
4.JERRY
5.Interlude
6.Syndrome
7 JUMBLE!!

TwitterMlle.(マドモアゼル) (@mlle_quartette) / Twitter

 

今回、インストゥルメンタルロックバンドからロックバンドまで様々なジャンルがそろったイベントだった。1組1組が自分たちの持ち味を生かし、最高のパフォーマンスを見せてくれた。MCから伝わるイベントへの感謝。それは、どのバンドもこのイベントを最高のものにしたいという気持ちの表れだろう。

素晴らしいイベントに誘っていただきありがとうございました。

カメラ担当:匠 (@tkantbti) / Twitter

 

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