BE:FIRST 1stアルバム「BE:1」全曲レビュー
【記事公開日:22/09/03】
8月29日に配信リリース。8月31日にCDリリースされた、BE:FIRST の1stアルバム「BE:1」。
アルバムを聞いた感想を先に簡単に伝えると最高のアルバムだった。
そんな最高のアルバムを全曲レビューします。
また、今回は初回限定版のボーナストラックも紹介をします。
よろしくお願いします。
1.BF is...
BE:FIRSTのメンバーとSKY-HIの共作で作られた楽曲。初出演となるロックフェス「VIVA LA ROCK」のために作られた楽曲。アカペラの歌いだしから始まり、ロックチューンのサウンド。ライブのスタートを感じられる1曲で、ライブに来ているお客さんの心臓の鼓動を表すかのようなリズムが高揚感を誘う。2分もない楽曲だが、しっかりとリスナーの心をつかんでくれる。アルバムの1曲目としてはこれ以上にない選曲だろう。曲が終わり最後の数秒の間が2曲目をより盛り上げてくれる。
2. Gifted.
デビュー曲。「BF is...」の数秒の間があることによって、彼らが配置につきこの曲のパフォーマンスのスタートをしたことが伝わってくる。衝撃のデビューから10か月。この曲を初めて聞いた時の衝撃は今でも忘れない。キャッチーでポップなイメージがあるデビュー曲。そんな中で唯一無二の世界観を作り上げてくる。この曲がデビュー曲だからこそ私もここまでBE:FIRST にハマったのだろう。それは私だけではないだろう、多くの音楽好きの心をつかんだ1曲となった。今や安心感もありBE:FIRST らしさともいえる楽曲となっている。
3.Scream
アルバムのリード曲にもあたる楽曲。アップテンポでダークでホラーテイストな楽曲。初めて聞いたときは、K-POP感の強いサウンドだなという印象を受けた。だが、聞けば聞くほどBE:FIRST ならではの楽曲ということが伝わってくる。彼らの歌声という個性をしっかり感じとることができる。
「Gifted.」は緩急も多く、静かな場面と盛り上がる場面の両方を感じられる曲。だからこそ、バラードでもアップテンポでも次の曲に来ても違和感はない。ただ、そんな中でもアップテンポでホラーテイストのこの曲はめちゃくちゃあっているのだ。
4.Moment
アルバムで初収録の新曲。「Scream」の世界観から一変して、さわやかで聞き心地のいいサウンド。日常を切り取ったような歌詞からは、BE:FIRSTのメンバー同士の関係性やファンの方との関係性、大事な人との時間などに向けて歌っていることが伝わってくる。「Scream」の後だからこそよりギャップを感じられる1曲。全体的に高音で歌われる。曲中に入るラップパートが曲全体をより盛り上げてくくれる。
5. Be Free
オーディション「THE FIRST」の課題曲。さわやかでやさしさのある「Moment」の後だからこそなにも違和感がなく、さわやかでフレッシュな「Be Free」のよさがより際立っている。オーディション時の配信曲と聞き比べてみると明らかにブラッシュアップされている。もちろん、グループとしての活動前ということも大きいだろう。歌唱力が高くなったという点もあるがプロとして活動をしている自信が歌声から伝わってくる。
6.Softly
MANATO、RYUHEI、JUNON、LEOによる初のユニット曲。しっとりと落ち着いたサウンドでとても聞き心地がいい。音数が少ないからこそヴォーカルの歌声にフューチャーしている。4人の個性のある歌声がしっかりと感じられたうえで統一感がある甘く、色気のある歌声。こういう曲もできるのか。そんなことを改めて感じられた。
7.Betrayal Game
ドラマ「探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り~」主題歌。
作曲には、シンガーソングライターのeillもかかわっている楽曲。「Softly」の甘くて色気のある歌声がこの曲からも感じられる。先ほどの曲が音数が少なかったからこそ、この曲のイントロのベースラインが際立つ。おしゃれでかっこいいサウンドに彼らの妖艶で色気のある歌声が合わさりリリース当時新境地を感じられた。PVでは、ダークさとさわやかさを見せており、このギャップはまさにこのアルバム全体にいえることだろう。
8.Milli-Billi
アルバムで初収録の新曲。MANATOの提案で全員でラップをするコンセプトで作られた楽曲。メンバーがマイクリレーをして歌われるこの曲は、グループらしさもありながら新境地も感じられるものとなっている。
SKY-HIが作り上げたリリックからは、BE:FIRSTのことを表すような歌詞が散りばめられている。車が走り出したかのようなサウンドで終わるアウトロは見事に次の曲「Spin!」へとつながっていく。
9. Spin!
RYOKI、SOTA、SHUNTOのユニット曲。3人とSKY-HIで作詞を行っている。「Milli-Billi」で車に乗り、この曲では車内を表すかのようにエンジン音や時計の針の音がイントロとなっている。ラップがメインとなりヒップホップテイストの強い楽曲。曲の最後の歌詞には「Move on」と歌われており、次の曲のタイトルで終わるという遊び心。この遊び心に気づいたときは、衝撃が走った。
10. Move On
オーディション「THE FIRST」の課題曲。
「Spin!」の最後に「Move On」と歌われて間髪を入れず、この曲のイントロが流れる。この2曲の流れが何度聞いても最高だ。怒涛のように続いていくラップ、サビ前にきれいな歌声となりその後一度音がやみ、サビを一気に盛り上げる。ダークなサウンドにBE:FIRST の変化する歌声が合わさり、かっこいい楽曲となっている。
11. Brave Generation
Novel Coreが作詞作曲にかかわっている楽曲。アルバムの中で一番ストレートなロックナンバー。イントロからロックサウンドが強く、改めてアルバムで聞くと異彩を放っている。今年に入り、様々なロックフェスのステージに立ったBE:FIRST。間違いなくロックファンを魅了するロックナンバーになったことだろう。
12. Grateful Pain
「BE:FIRST TV」の中でメンバー全員で「Kick Start」のアンサーソングとして作り上げた楽曲。やさしくきれいなサウンドとメンバーのきれいな歌声が印象的な楽曲。
タイトルを直訳すると「ありがたい痛み」。これは、オーディションまでのメンバーそれぞれの苦労。その時の苦労があり今のBE:FIRSTがある。過去を肯定をして未来に向かっていく彼らのメッセージソングとなっている。そして、過去を振り返り、人生を変えたプレデビュー曲「Shining One」へとつながっていく。
13. Shining One (Re-recorded)
プレデビュー曲「Shining One」の再録。今回ブログを書くにあたり、1曲ずつの情報なども調べていた。先ほど紹介をした「Grateful Pain」の作った経緯や歌詞の意味を知ったうえでこの曲を聴くと、デビューの喜びを再度実感し涙がこぼれた。
リリース時、キャッチーでさわやかな楽曲でこの曲の雰囲気がBE:FIRST の主軸となると思っていた。だからこそ、この1年で多くの楽曲をリリースし、ここまで幅の広いグループとなるとは思ってもみなかった。よりブラッシュアップされたこの曲は原点として頂点ともいえる楽曲だ。
14.Message
アルバムで初収録の新曲。グループとして初めてのド直球のラブソング。「Shining One 」でも感じられたさわやかなサウンドも残しながら、落ち着いた雰囲気となっている。ライブ終盤でファンに向けて歌っている姿も脳内で浮かんでくる。曲としては。アルバムの中で一番J-POPを感じられた楽曲でもあった。曲が終わり5秒程の無音があるからこそ、次の曲のイントロが際立っている。
15.Bye-Good-Bye
「ZIP!」の朝ドラマ「サヨウナラのその前に Fantastic 31 Days」主題歌。
ストリーミング1億回再生も達成して、実績としても自身の代表曲ともなった楽曲。このブログでも何度紹介をしてきたかわからない。アルバムの最後の曲が「Bye-Good-Bye」は、とてもきれいな締めをくくっている。前向きな別れをテーマにしているこの曲が最後にくることで、アルバムはここで終わるけど、これからの活動も一緒に楽しんでいこう。そんな気持ちが伝わってくる。
16.To The First (ボーナストラック)
CDのみの初回限定版に収録がされているボーナストラック。数多くの限定版がリリースされる中、音楽でBE:FIRSTを好きになった私にとっての選択肢はこちらの限定版だった。オーディションである『THE FIRST』のテーマソング。
この曲がアルバム収録曲でなくボーナストラックであることに意味がある。オーディションにフューチャーするのではなくBE:FIRST としての進化を見せることができるアルバム。ただ、ボーナストラックにこの曲が入ることにより、オーディションの時からのファンをも喜ばせているのだ。
以上がアルバム収録曲です。
このアルバムのインタビューでBE:FIRSTはジャンルレスな音楽と語っていた。ジャンルレスという表現は、間違いない。ロック、ヒップホップ、R&Bなど様々なジャンルの音楽要素を感じられる楽曲たちが並んでいる。
ただ、ジャンルレスという言葉で片付けてはいけない。サブスクが主流となりジャンルレスでいろんなジャンルの音楽を聴く人たちが増えた。だからこそ、ジャンルレスであるアーティストが増えているのだ。ただその中で差別化を図ることも求められている。
そんな中、BE:FIRSTの楽曲たちは、ジャンルレスでありながら最先端で個性を放っているのだ。もはやBE:FIRSTというジャンルを作り出しているといっても過言ではないだろう。
そして、この個性ある楽曲たちが1枚のアルバムという作品で違和感なく、むしろすばらしい曲順で並んでいる。
曲と曲の間の取り方も見事で、1枚のアルバムを通して聞くとまるで彼らのワンマンに行ったかのような気持ちになれる。
サブスクが主流となりプレイリストの文化が根付いてきている今の音楽業界。シャッフルで聞く人や1曲だけ聞く人も少なくはない。
それが悪いこととは思わないが、アルバムの曲順には意味があると私は思っている。
アーティストたちは、アルバムを曲順で聞いてほしい。そんな気持ちもありコンセプトアルバムと呼ばれるようなアルバムも昔より増えてきている。
ただ、今回のアルバムはコンセプトアルバムではない。1曲1曲の個性を大事にし、ライブのセットリストを組むかのように楽曲が並んでいる。
だからこそ、よりすごさを感じたのかもしれない。
アルバムとしてのクオリティの高さは、楽曲提供者が素晴らしいということだけではなりたたない。メンバーの歌声や個性。多種多様な楽曲への対応力など言い出したらきりがないが、BE:FIRST でなければこのアルバムは完成していないのだ。
そして、彼らの真骨頂はクオリティの高い楽曲に合わさるパフォーマンスだ。この楽曲たちをライブで見ると数十倍、いや数百倍もパワーアップすることは間違いないだろう。
私は、BE:FIRST が好きだ。それは、彼らのパフォーマンスや人間性などの要素もあるが、いちばんは音楽のクオリティの高さだ。
このアルバムは彼らの音楽のすばらしさを多くの人に知ってもらえるような名刺となる1枚になったのではないだろうか。
2022年のベストアルバムに選出したいと思えるほど最高の1枚だった。
読んでいただきありがとうございました。
【関連記事】