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Ado 1stアルバム『狂言』全曲レビュー

【記事公開日:2022/1/28】

 

今年から定期的に書いているアルバム全曲レビュー。

先週は、優里の『壱』を紹介しました。

 

今回は、Adoの 1stアルバム『狂言』です。

 

2021年代表するアーティストとなったAdo。

『うっせぇわ』は、【Billboard JAPAN HOT 100】の年間7位を記録している。

 

『2021ユーキャン新語・流行語大賞』のトップテンにもうっせぇわは選ばれた。

 

そんな彼女の初めてのアルバムが『狂言』だ。

 

早速、どんな楽曲達が収録されているのか。

全曲紹介します。

 

 

1.レディメイド

詞曲・編曲:すりぃ。

2作目の配信シングル。ショーがスタートするかのようにアルバムのスタートを彩ってくれる。これまで何度も聞いている楽曲なのにアルバムで聞くとまた新しさを感じられるから不思議だ。自然と体が踊りたくなるサウンド。歌声と曲調が徐々に変化していく。トランペットの音色やドラムのリズムがジャジーに曲を彩ってくれる。扉が閉まっていくように終わり2曲目に見事につながっていく。

 

 

2,踊

作編曲:Giga、TeddyLoid 作詞:DECO*27

4枚目配信シングル。サブスク1億再生もしている楽曲だ。曲順で聞いていると『レディメイド』の世界観からしっかりつながっているように感じることができた。歌いだしから始まったからなおさらだろう。

新曲ブログを書くにあたり、初めて聞いた時のインパクトの強さは今でも覚えている。つかみのある歌いだし・EDM要素もあるメロディ・のりやすさもありかっこいい、そして唯一無二の世界観。何度聞いても面白い楽曲。

 

 

3.ドメスティックでバイオレンス

詞曲・編曲:Kanaria

アルバム初出し曲。歌いだしはタイトルでしっかり聞くものをつかむ。そして、おしゃれでミステリアスなメロディが曲を彩っている。サビに向かうにつれてリズムを徐々に上げていき、サビでは怒涛のようにテンポが上がっていく。このテンポの変化を歌えるのだからAdoのすごさを思い知らされる。

 

 

4. FREEDOM

詞曲・編曲:jon-YAKITORY

アルバム初出し曲。ギターのサウンドから始まるイントロ。バンドサウンドがメインとなりロック曲となっている。こういう曲もやるのかと改めて驚かされる。ギターはもちろんだがベースもいい味を出している。まるで邦ロックの楽曲を聞いているような気持ちになれる。かっこいい楽曲。

 

 

5.花火

詞曲・編曲:くじら

yama「春を告げる」SixTONES「フィギュア」など昨年楽曲提供も多かったくじら。「金木犀 (feat.Ado)」以来のタッグだ。くじらの楽曲は、シティポップ要素の強いおしゃれな楽曲が多い印象がある。それがくじらサウンドのように感じているところがあるのだが、この曲はEDMや洋楽のような壮大さがある。二組が新境地を開いた楽曲のようにも感じた。

 

 

6.会いたくて

映画『かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜 ファイナル』挿⼊歌。

作詞・作曲:みゆはん 編曲:みきとP

6枚目の配信シングル。改めてアルバムを聞くと実にJ-POP要素の強い楽曲と感じられる。曲の展開、サビの壮大さ。ただAdoがこの曲を歌うということで新しさを感じることができる。

 

 

7.ラッキー・ブルート

詞曲・編曲:柊キライ

アルバム初出し曲。『会いたくて』と真逆を感じる世界観。この曲からアルバムの第2章のスタートを個人的には感じた。歌詞やメロディからダークな雰囲気をかもしだす。

歌詞は、擬音語や破裂音が多くて歌声が楽器のように聞こえてくる。

 

 

8.ギラギラ

詞曲・編曲:てにをは

3枚目の配信シングル。サブスク1億再生を達成している楽曲。

『うっせぇわ』のとてつもないインパクトから彼女の可能性を大きく広げてくれた楽曲だと個人的には思っている。中毒性もインパクトも強い『うっせぇわ』だからこそ、この曲の印象と並ぶのは難しい。だがこの曲は聞き心地のいいサウンドに耳に残りやすいギラギラというワード。Adoというアーティストをヒット曲の多いトップアーティストにしてくれたのは、この曲が大きく貢献していると思う。

 

 

9.阿修羅ちゃん

テレビ朝⽇系ドラマ『ドクターX 〜外科医・⼤⾨未知⼦〜』主題歌

詞曲・編曲:Neru

7枚目配信シングル。この曲も歌いだしのインパクトが強い。そして疾走感もあるバンドサンドが何度聞いてもかっこいい。サウンドのカッコよさ、中毒性、キャッチーな歌詞やメロディ。そして何よりそのすべてを何十倍にするAdoの歌唱力が輝いている。

 

 

10.心という名の不可解

カンテレ・フジテレビ系 月10ドラマ『ドクターホワイト』主題歌

作詞作編曲:まふまふ

8枚目配信シングル。昨年の紅白で話題となったまふまふの楽曲提供曲。楽曲を初めて聞いた時、実にまふまふらしい曲だなと感じた。そして、そうより感じたのはAdoの歌い方だ。彼女がまふまふが作ったデモに忠実に再現をしていることが自然と伝わってくる。個人的には医療ドラマの主題歌が2曲連続で続くのも面白みがある。

 

 

11.うっせぇわ

詞曲・編曲:syudou

メジャーデビュー配信シングル。彼女を一躍有名にした代表曲。サブスク再生回数は2億を達成している。この曲を新曲ブログで紹介をしているのだが、初めて聞いた時のインパクトは今でも覚えている。歌唱力・歌詞のインパクト・サウンドのカッコよさ。これは流行るかもなと思ったら想像の100倍は流行ったので正直驚いた。

この曲を新曲ブログで紹介したときは社会現象になるとは思っていなかった。

 

 

12,マザーランド

「TBS系スポーツ2022」テーマソング。

詞曲・編曲:煮ル果実

アルバム初出し曲。『うっせぇわ』の後にまた新たな表情をみせてくる楽曲を持ってくるから面白い。TBSのスポーツのテーマソングでもあるのでこれからより一層聞かれる楽曲になることは間違いないだろう。

 

 

13.過学習

詞曲・編曲:伊根

アルバム初出し曲。かつてAdo自身が「2021年前後に見つけた『次くる』ボカロPたち」に選出をした伊根の楽曲提供。ボカロを普段聞いているわけではないので詳しくは語れないが収録楽曲の中で一番ボカロ要素を強く感じた楽曲。そういう意味で言うとAdoの原点であるボカロ曲を色濃く映し出した楽曲かもしれない。

 

 

14.夜のピエロ

ドラマ「初情事まであと 1 時間」オープニング主題歌

詞曲・編曲:biz

5枚目の配信シングル。このアルバムの最後に収録されている楽曲。アルバムを通して聴いているとエンドロールのような楽曲に感じた。

 

 

以上の14曲です。

 

多くのボカロPの楽曲提供から生まれたこのアルバム。

普段、私自身VOCALOIDというジャンルの音楽を実はほとんど聞かない。だからこそ、このアルバムを紹介するにあたりボカロPを調べてみると作曲人のすごさを知り、驚かされた。

 

初音ミクが生まれた2007年。

VOCALOIDという新たな音楽ジャンルが生まれた。

多くのボカロPが誕生し、米津玄師をはじめとした、たくさんのアーティストが音楽シーンに登場した。

 

2002年生まれのAdoにとってVOCALOIDは物心ついた時から聞いていたジャンル。

そう、あって当たり前の存在だったのだ。

多くの歌い手やボカロ楽曲を聞いてきて、自分が歌い手となり投稿をしたことがきっかけでこの世界に入っている。

 

実はこのアルバムを聞いた時に、Adoの歌声に乗せたボカロPのトリビュートアルバムのように感じた。それは、初音ミクの歌声で音楽を作っているように。

 

先程、普段ボカロを聞かないと書いたが正直なところ、初音ミクの声が苦手だったのだ。だが、楽曲のよさを多くのボカロPの楽曲を知り、興味を持っていた。

ひょっとしたら、普段ボカロを聞かない人は同じような感覚の人もいるのかもしれない。

 

だからこそ、Adoという存在はすごい。

一般層へのVOCALOIDの架け橋へ確実になっている。

 

今回のアルバムで知ったボカロPは、普段聞かない自分でも他にどんな楽曲を作っているのか知りたくなった。

 

そして、このアルバムはボカロPとAdoからVOCALOIDに対する深い愛情を感じられるアルバムに仕上がっている。

 

Adoの存在や今回のアルバムは、VOCALOIDのこれからの歴史を大きく変えるものになるのは間違いないだろう。

 

読んでいただきありがとうございました。

 

 

【アルバムレビュー】

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